キヤノンが富士通製スパコンを導入へ――試作レスを目指す

キヤノンは、新スーパーコンピュータシステムに「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX10」を採用した。

» 2013年08月06日 17時49分 公開
[ITmedia]

 キヤノンは、新たに導入するスーパーコンピュータシステムに、富士通の「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX10」を採用した。富士通が8月6日に発表した。

 新システムは96ノードで構成され、理論演算性能は20.2テラフロップスを実現する。これにより、キヤノンは製品開発プロセスにおける各種解析シミュレーションを高度化する計画、10月から稼働開始を予定している。

 同社は以前から製品開発における仮想試作・各種解析シミュレーション用にHPC(High Performance Computing)を活用してきたが、製品の高性能化や小型化などに伴い、より大規模かつ複雑な解析計算を実用化する手段として、さらに高性能なスーパーコンピュータシステムの導入を検討してきた。今回、富士通の提案する高性能と省電力、信頼性を兼ね備えたPRIMEHPC FX10を高く評価し、新スーパーコンピュータシステムとして採用した。

 PRIMEHPC FX10は、スーパーコンピュータ「京」に適用した技術をさらに向上させ、拡張性、信頼性、省電力性に優れたシステム。キヤノンの新システムではディスクアレイ「FUJITSU Storage ETERNUS」、ファイルシステムソフトウェア「FEFS」による大容量、高信頼、高性能なストレージ環境、非線形動的構造解析ソフトウェア「LS-DYNA」を合わせて採用する。これにより、従来では処理性能的に困難だった、大規模かつ複雑な解析やシミュレーションが可能になり、キヤノンが標榜する「試作レス」による製品開発も現実的なものしているという。

 富士通は、「PRIMEHPC FX10」をはじめとするテクニカルコンピューティング・ソリューションの提供を通じ、企業における製品開発期間の短縮やコスト削減、製品の性能・機能・品質の向上に貢献していくとしている。

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