埼玉県が仮想基盤とネットワーク基盤を新たに構築導入事例

埼玉県は、県民サービス向上と職員の業務効率化を目的に、情報系システムを稼働させる仮想基盤と大規模なネットワーク基盤を構築した。

» 2013年08月07日 18時01分 公開
[ITmedia]

 埼玉県は、職員約1万3000人が利用する情報系システムを稼働させる仮想基盤および約400施設を接続する県全域の大規模な共通高速ネットワーク基盤(県庁LAN)を構築した。これらの情報基盤構築をネットワンシステムズが担当。今年2月から本稼働を開始しているという。

 埼玉県が構築した仮想基盤では大規模なメールシステム、アカウント管理、DNS、ウイルス対策、ファイルサーバなどの情報系システムが稼働している。また、これらシステムを利用する県庁LANは、本庁舎、地方・合同庁舎、単独庁舎及び県立学校など約400施設を結んでおり、県民サービスや職員の事務を支える税務システム、土木積算システム、財務会計システムなどの約100の業務系システムが接続されている。

システム概要

 埼玉県では情報系システムの稼働基盤および県庁LANの構築にあたり、「物理サーバ群の集約」「耐障害性の向上」「運用体制の改善」という3つの要望を挙げた。「物理サーバ群の集約」については、「VMware vSphere 5」で仮想環境を構築することによって、従来の物理サーバ約30台を15台へと約50%削減した。

 「耐障害性の向上」ではサーバに「Cisco UCS Bシリーズ ブレードサーバ」を採用した。サーバに障害が発生した際には、Cisco UCS特有の機能であるサーバの設定情報をまとめたサービスプロファイルを、予備のブレードサーバに割り当てることによって、迅速なサービス復旧を可能としている。

 「運用体制の改善」の面ではITIL V3のベストプラクティスに基づき、ネットワンシステムズが約半年に渡って埼玉県と情報交換を実施し、運用業務を可視化するとともに、改善を容易にする運用体制を構築したという。

 埼玉県では仮想基盤に耐障害性を高める仕組みを導入することにより、県民サービスの継続性向上を実現し、さらに県庁LANの高速化によって県職員の業務効率も向上したとしている。

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