支給された端末での私的利用問題にALSIが新サービス

会社から支給された端末で業務に関係のない利用している社員や従業員が少なくないという。

» 2015年05月26日 19時33分 公開
[ITmedia]

 アルプス システム インテグレーション(ALSI)は5月26日、モバイルセキュリティの新サービス「InterSafe MobileSecurity」を6月1日から提供すると発表した。iPhoneやiPadからIPsec VPNでサービスに接続する仕組みで、きめ細やかなセキュリティ対策を講じられるとしている。

 新サービスではWebフィルタリングやアプリケーションの利用制御、IPsec VPN接続、ファイアウォール、MDMの基本機能のほか、オプションで拠点間VPN(社内とサービス間)、違反・挙動検知などの高度な管理、HTTPS通信の検査といった機能を提供する。

IPsec VPN接続を利用するが、端末には2つのプロファイルを設定するだけという

 同社によれば、新サービスではiPhoneやiPadに標準搭載されているSafariブラウザに、ユーザー企業のセキュリティポリシーを適用できるのが特徴。「一般的なサービスでは専用ブラウザが必要で、Safariブラウザが社員の私的な利用の抜け道になってしまう課題に対応した」(プロダクト企画課マネージャーの和田秀之氏)という。

 またオプションの拠点間VPNを活用することで、管理サーバを構築したり、運用したりすりことなく、社内システムへのアクセスを含めたWebフィルタリングや通信内容の検査などを一括して行うことができる。利用料は基本サービスが端末1台あたり月額500円(年額6000円)、拠点間VPNが同600円(年額7200円)など。同社では初年度3万ライセンスの販売を見込む。

会社支給端末の私的利用

 併せて同社は2月に実施したモバイル端末の利用調査の結果も発表。会社が支給した端末を私的に利用している社員の実態が浮かび上がった。

 それによれば、39.4%の社員・従業員がSNSやメッセージ、ゲームなど業務に関係のないアプリをインストールしていた。その理由では「間接的に業務に役立ちそう」(63.4%)や「将来に業務で役立ちそう」(28.9%)が挙げられている。

 勤務時間中に会社支給の端末からSNSなどへ書き込みをしたことがある社員・従業員は19.4%に上り、14.2%がトラブルに遭ったことがあると答えた。業務に関係しないWebサイトの1日あたりの閲覧時間では「30分未満」が最多(43.8%)だったものの、1時間以上が8.8%あった。

SNSへの書き込みの有無とトラブルの把握(ALSIより)

 新サービスの狙いについて取締役ビジネス企画部長の中山明氏は、「少し前までBYOD(個人端末の業務利用)が注目を集めたものの、実際はセキュリティリスクへの懸念から端末を支給する会社が多い。モバイル活用と私的利用などの問題に迅速に対応してほしいという企業ニーズに応える」と説明する。今後はAndroidなどマルチデバイスへの対応も計画しているという。

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