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» 2016年02月22日 17時00分 UPDATE

Weekly Memo:費用対効果は? ナレッジは誰のものか? 「IBM Watson」の課題 (1/2)

AI(人工知能)技術を活用した「IBM Watson」が日本語で利用できるようになり、日本企業のデジタル化が大きく進みそうだ。一方で課題もある。筆者なりに2つ挙げておきたい。

[松岡功,ITmedia]

IBM Watsonの日本語サービスがスタート

 「企業のデジタル化がこれからどんどん進む中で、さまざまなデータを素早く分析して有効活用できることが、企業の競争力そのものになってくる。それを強力に支援するのが、IBMのコグニティブ(認知)技術から生まれたWatsonだ。その日本語化に向けて1年前からソフトバンクと共同で取り組み、今日を迎えることができた。これによって日本企業の競争力強化に大きく貢献していきたい」

 日本IBMのポール与那嶺社長は2月18日、同社とソフトバンクが共同で開いた「IBM Watson日本語版の提供開始」の記者会見でこう強調した。

Photo 記者会見の様子。左から、日本IBMのポール与那嶺社長、ソフトバンクの宮内謙社長兼CEO、米IBM Watsonビジネス開発担当のマイク・ローディン上席副社長

 両社がWatsonの日本語サービスとして提供開始したのは、「Natural Language Classifier(自然言語分類)」「Dialog(対話)」「Retrieve and Rank(検索およびランク付け)」「Document Conversion(文書変換)」「Speech to Text(音声認識)」「Text to Speech(音声合成)」の6つのAPI。これにより、ユーザーやパートナー企業はWatsonを活用したアプリケーションの開発に日本語を適用することができるようになる。

 こうしたサービスを含めて記者会見全体の内容については関連記事を参照いただくとして、ここでは冒頭の与那嶺氏に加えて印象に残った発表者のコメントを3つ紹介しておくとともに、筆者が気になったWatsonの課題とみられる点を2つ挙げておきたい。

 まず1つ目のコメントは、ソフトバンクの宮内謙社長兼CEOが語ったWatson事業への意気込みだ。

 「日本語化に向けてIBMと共同作業を進めてきたこの1年間、市場の期待や反響の大きさに驚くばかりだった。これからもっとワクワクすることが起きると確信している。国内のパートナーエコシステムをしっかりと構築していくとともに、当社が目指している“スマート経営”にもWatsonを大いに活用していきたい」(宮内氏)

 宮内氏が掲げた「スマート経営」という言葉は、Watsonのキャッチフレーズにもなりそうである。

 2つ目は、米IBMのWatsonビジネス開発担当であるマイク・ローディン上席副社長が紹介したグローバル市場でのWatsonの普及状況だ。それによると、現在、Watsonは36カ国で展開され、29の業界において8万人を超える開発者が利用。英語や日本語など5つの言語が使え、400社を超えるパートナー企業がWatsonを活用したビジネスを展開しているという。

 そのうえでローディン氏は、「多言語に対応していることから、日本企業もグローバル市場にビジネスを展開できるチャンスが広がっている」と強調していた。

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