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» 2016年06月25日 08時00分 UPDATE

即席!3分で分かるITトレンド:コレ1枚で分かる「空間をデータ化するIoTデバイス“ドローン”」 (1/2)

ビジネス利用の機運が高まっているドローン。空飛ぶIoTデバイスとしての可能性を踏まえつつ、活躍の場面を整理します。

[斎藤昌義(ネットコマース株式会社),ITmedia]

この連載は

 カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。


ドローンが秘める「空間のデータ化」

 ドローン(drone)とは、遠隔操作が可能な無人飛行機の総称で、ブーンと羽音を立てて飛ぶ「雄の蜂」を意味する英単語から転じて使われるようになりました。

 もともとは戦場における偵察や攻撃などの軍事用に開発されましたが、農薬散布や空撮などの業務用、あるいは飛ばして楽しむホビー用として用途が広がっています。大きさは全長数センチ程度の小型のものから10メートル超の大型のものまであり、形状は複数のプロペラを持つヘリコプター(マルチコプター)が一般的で、固定翼の機体なども登場しています。

 また、静止画や動画を撮影するカメラに加え、位置情報を捉えるGPS、速度や動きを検知する加速度センサー、傾きや角度などを検知するジャイロセンサーなどを搭載しています。それらを使って自ら機体を安定させ、指定した経路を自動で飛行して元の位置に戻ってくるなどの自律飛行ができる機体もあります。このあたりが従来のラジコン機と異なるところです。

 これらのドローンに使われている電子部品は、スマートフォンで使われるカメラやセンサー、プロセッサや電池などと共通するものも少なくありません。そのため、スマートフォンの大量生産による部品の低価格化によって、ドローンの市販価格も下がり、業務用途ばかりでなく、個人での利用も拡大しています。

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 「オープン化」への取り組みも注目されています。ドローンは、カメラやセンサーでさまざまなデータを捉え、無線を介してインターネットとつながり、クラウドにデータを送ることができます。「空飛ぶIoTデバイス」ともいえるこのような特長を生かし、さまざまな用途での利用が模索されていますが、そのアプリケーションを誰もが容易に開発できるようにし、用途を広げていこうという動きがあります。

 そのため、ドローンに最適化したオペレーティングシステムやプログラミング環境を共同で開発して広く公開する取り組みや、ドローンに必要な機能を標準で搭載したプロセッサや電子部品のモジュールが市販されるようになりました。特に、IntelやQUALCOMMなど、PCやスマートフォンで標準プラットフォームを提供している企業は、次のプラットフォームの覇権を握るべく、積極的に製品開発を行っています。

 ドローンが注目されるのは、これまでにはなかった「空間をデータ化できる」有効な手段だからです。IoTが「現実世界をデータ化し、ネットに送り出す仕組み」として注目されていますが、「空間のデータ化」も当然、求められています。

 その手段として航空機や人工衛星など高高度からのセンシング技術は既にありますが、低高度でしかも移動しながらきめ細かくセンシングする有効な手段はこれまでありませんでした。そこに登場したのがドローンです。まさに未知の領域への可能性が生まれたのです。用途についてはまだまだ模索の段階ですが、大きな可能性が広がっているといえるでしょう。このような理由から注目されているのです。

 そんな模索段階ながら、既にさまざまな用途で使われ始めています。

鳥の目線での空撮

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 「鳥の目線」で飛びながら撮影できるのはドローンの魅力の一つです。

 ヘリコプターや航空機は、どんなに低空でも数百メートルの高さからの撮影となります。人間が高台に登っても固定した位置からしか撮影できません。

 ドローンであれば、数メートルから100メートルほどの高さで鳥のように飛びながら撮影することができます。しかも、機体の振動や風による揺れを補正して滑らかな動画を高画質で撮影できるカメラが搭載された機体も数万円から手に入るようになり、業務ばかりでなく、趣味で空撮を楽しむ個人も増えてきています。

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