IBMの「FinTech共通API」、freeeやマネーフォワードら5社と接続検証

IBMは、同社が提供している「FinTech共通API」について、freee、マネーツリー、マネーフォワードらFinTech関連サービスを提供する企業5社と接続検証を実施した。

» 2016年06月28日 17時30分 公開
[ITmedia]

 IBMは6月28日、「FinTech共通API」をFinTech関連サービス企業に提供し、最初の接続検証を実施したと発表した。

 FinTech共通APIは残高照会、入出金明細照会、口座情報照会といったインタフェースをはじめ、FinTechサービスと既存のインターネットバンキングをアプリケーション間で接続するAPI群。銀行系のAPI標準化を推進している「BIAN(Banking Industry Architecture Network)」の方式に基づいており、オープンで汎用性が高い。

 同APIはIBMのAPI作成・管理・運用ソフトウェア「IBM API Connect」と「IBM DataPower Gateway」により提供される「OAuth」と連携する。OAuthはオープンな認証プロトコルで、利用者のIDやパスワードを銀行が認証した上で、FinTechサービスの利用を許可する仕組みに利用され、セキュリティ強化に役立つ。

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 接続検証を行ったFinTech関連サービス企業は、オービックビジネスコンサルタント、Zaim、freee、マネーツリー、マネーフォワードの5社。いずれも企業会計や家計簿、個人資産、経費管理などのサービスをクラウドで提供している企業だ。共通APIを利用することで、FinTech関連企業のサービス上で安全かつ迅速に銀行口座の情報を把握できるようになり、利便性の向上につながる。

 一方で、金融機関としても今回の接続検証は大きな意味を持つ。銀行がFinTech企業のサービスを組み込む上で、システムの仕様変更への迅速な対応、セキュリティの確実性などが確認されれば、FinTech企業にとって金融機関が巨大な需要家となり、サービスや関連市場がさらに広がっていくためだ。

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