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» 2017年02月15日 08時00分 UPDATE

データ分析で食品ロスを「3割減」――気象×ビジネスの可能性 (1/3)

企業におけるデータ活用には、社内のデータに加えて社外のデータを活用することも重要な視点だ。中でも気象データがビジネスに影響する業界は、全体の約3割だという。日本気象協会は最近、詳細な気象データをビジネスに生かすための実証実験を行っているという。

[寺澤慎祐,ITmedia]

 企業のデータ活用というと、基幹システムのログデータや売上データなど、社内データの活用を指すことが多いが、“社外”データを組み合わせるのも、ビジネスのヒントを得る有効な方法だ。

 数ある社外データの中でも、気象データはさまざまな活用事例がある。気温がぐっと下がるタイミングで、コンビニおでんの売り上げが伸びる――といった類の話は一度は聞いたことがあるのではないだろうか。気象庁も気候と食品販売数の関係を調べた報告書を公開している

 従来、こうしたデータは「オープンデータ」として無料で公開されていたが、最近では有料で提供する動きもある。天気予報サイト「tenki.jp」を展開する、日本気象協会は気象データやサービスを民間企業へ積極的に展開し始めたという。

 有料の「コマーシャルデータ(※)」は無料のデータと何が違うのか。そして、それは企業のビジネスにどのような影響を与えるのか。日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)のユーザー会で講演を行った、日本気象協会 防災ソリューション事業部 水防ソリューション課の吉開朋弘氏の話をお届けしよう。

※民間企業が社内に保有するデータを販売したり、非営利の公共団体であっても、価値ある形式に返還したり、公開範囲を限定するなどして有料で提供するデータ

photo JDMCのユーザー会で、日本気象協会 防災ソリューション事業部 水防ソリューション課の吉開朋弘氏が講演を行った

そもそも「気象データ」とは何か?

 そもそもデータ分析で使う「気象データ」とは何なのか。気象情報と言えば、テレビやラジオ、インターネットなどで目にする天気予報や注意報警報、そして地震や台風情報といったものが思い浮かぶかもしれないが、吉開氏によると、これは数ある気象情報の一部にすぎないという。

 実際には、生データをさまざまな業種向けに加工して配信していると吉開氏は説明する。そのプロセスを見ると、まず、観測された生データがスパコンなどに提供され、その計算結果が、日本気象協会のような民間気象会社に有料で提供される。

 この民間気象会社が計算結果を電力、鉄道、輸送会社、道路管理会社、自治体といった公共性が高い特定事業者向けに気象データを加工して提供する。ダム管理のための雨量予測、ソーラー発電事業者への日射量予測など、任意の地点における予測や、独自の観測装置を利用した気象予測がその例だ。

 メディアやインターネット事業者向けの情報も同様のフローで生成、配信されるが、その内容は晴れや雪といった定性情報が主で、日々の天気予報や市町村ごとの天気、防災情報として使われる。特定事業者が日本気象協会から得た情報を加工し、各メディアやインターネット事業者などに提供することもあるという。

photo 気象情報が消費者に届くまで。予報事業者向け気象情報は、気象庁から予報事業者に有償で提供されるもので天気予報の作成が行われる

 「一般向け気象情報は画像や天気マークなどの定性情報がほとんど。一方、特定事業者向けの気象情報には、定量的な情報が含まれるものの、防災利用やインフラ保守利用に限られているのが現状」と吉開氏は話す。もっと定量的なデータを企業が活用しやすい形で提供できれば、ビジネスにも利用できるのではないかと考え、データの有料化を検討し始めたそうだ。

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