Microsoftが掲げる「デジタル変革に必須の4要素」とそれを実現するものMicrosoft Inspire 2017(2/2 ページ)

» 2017年07月11日 13時00分 公開
[大河原克行ITmedia]
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 2つ目のBusiness applicationsとしては、必要な機能を組み合わせられ、各種データが連係していることなどが重要と説明。これを具現化したものとして、セールスオペレーションを自動化し、近代化することができる「Microsoft Relationship Sales」を発表した。Microsoft Relationship Salesは、Dynamics 365 for SalesとLinkedin Sales Navigatorを組み合わせたものであり、これを活用することで、案件を効率的に、プロアクティブに推進、処理できるという。

Business applications ビジネスアプリケーションのあるべき姿
Microsoft Relationship Sales Microsoft RelationShip Sales

 さらに、人事部門においても、Dynamics 365とLinkedinを組み合わせて、誰と、いつ面談するのかといった設定が簡単にできることや、採用するために必要な情報を効率的に収集したり、新たに採用した人材が社内に定着しやすい環境を構築したりできることも示した。「ビジネスアプリケーションの新たな枠組みによって、すでに稼働させている人事システムを、タレントエンゲージメントにも進化させることができる」という。

 そして、3つ目と4つ目の要素として挙げたApplications & InfrastructureおよびData & AIについては、「Azureには豊富な機能があるが、なかでも、AIを利用するために有効なプラットフォームであり、我々の研究成果の多くをAPIとして提供していることが特徴である」と発言。顔認識では、単なる認証をするだけでなく、悲しそうな顔をしていたときには、AIがそれを認識して、「大丈夫?」と語りかけてくれるといったデモストレーションのほか、チャットボットの活用、機械学習やIoT、サーバーレステクノロジーの活用などについても紹介。これらがAzureですべて提供されていることを示した。

Applications & infrastructure and Data & AI アプリケーションソフトとインフラはどうあるべきで、データとAIはどう活用するのがよいか

 最後にナデラCEOは、どんな食品を庫内に入れたかを理解できる冷蔵庫を発売するLiebherrや、HoloLensを利用してトレーニングを行うBoeing、医療分野でHoloLensを利用するCase Western Reserve and Cleveland Clinicなどの最新事例を紹介。またMicrosoftが、Project Premonitionと呼ぶ、テクノロジーを活用して疫病の広がりを抑制する活動を行っていることにも触れながら、「こうした取り組み事例の中からインスピレーションを感じてほしい。そして、これがパートナーエコシステムにつながることを理解し、ぜひ活用してほしい」などと語った。

Ron Huddleston Microsoftの One Commercial Partner担当コーポレートバイスプレジデント、ロン・ハドルストン氏

 一方、ナデラ氏の前に、これから始まるInspireを紹介する形で登壇したMicrosoftの One Commercial Partner担当コーポレートバイスプレジデント、ロン・ハドルストン氏は、Microsoft Inspire 2017の1万7000人の参加者のうち、数千人が初めての参加者である一方、10回以上参加している人も多いことなどを紹介。「私は2016年に初めて参加して、今年は2回目の参加。Microsoftでは新参者だが、パートナーリングでは20年間の経験がある。Microsoftはパートナーありきの企業であり、それはこれからも変わらない。パートナー戦略としては、北極星と同じ存在である。だがMicrosoftは、これからのパートナーシップのありかたを変えていきたい」と話し、「パートナーと会話をして分かったのは、パートナーは製品やプログラムに、1つの方法で顧客につながりたいということであった。そこでMicrosoftは、1つのコマーシャルパートナー組織を作り、役割を1つに集約した。それはパートナーファーストで取り組むものになる」とした。

One Commercial Partner コマーシャルパートナー組織を1つに

 続けて、「1つとなった新たな組織によってパートナーに提供するのは、Build-with、Go to Market、Sell-withの3つの仕組みである。Microsoftは、2億5000万ドルを投資し、パートナーと顧客を結ぶための仕組みをつくる。その1つが、チャネルマネージャーという役職だ。チャネルマネージャーは、パートナーと顧客をつなげる役割を担う。適切なパートナーに、適切なタイミングで、適切な顧客を紹介する。顧客の規模に関係なく、1つのチームで支援することになる。チームとしての協力体制と、市場へのアプローチ、共同営業を行うという3つの動きを通じて、パートナーが成功し、成長できるように支援するものになる」とした。

 また、「新たなパートナー向けプログラムをスタートさせ、Azureをどう売るのかを軸足にした新たなセールスインセンティブに再構築する」とし、「昨年度実績では、Azureにおけるパートナーとの共同受注が60億ドルに達している。Go-to-Marketにおいて、最もいい案件を集めて、これをパートナーに提供する。パートナーがマイクロソフトとつながり、新たな顧客へとビジネスを広げることができる」とした。

日本でもMicrosoft Inspire Japanを開催予定

 なお、今回のMicrosoft Inspire 2017の開催を受けて、日本でも、「Microsoft Japan Partner Conference 2017 Tokyo〜Inspire Japan!」を東京で開催予定だ。さらに大阪、名古屋、福岡、札幌でも、Microsoft Inspire Japan 2017を開催する。日程は以下の通り。

地域 イベント名 日付 会場
東京 Microsoft Japan Partner Conference 2017 Tokyo~Inspire Japan! 9月1日 (火) ザ・プリンスパークタワー東京
福岡 Microsoft Inspire Japan 2017 Fukuoka 9月14日(木) ハイアットリージェンシー福岡
大阪 Microsoft Inspire Japan 2017 Osaka 9月26日(火) ウェスティンホテル大阪
名古屋 Microsoft Inspire Japan 2017 Nagoya 10月3日(火) 名古屋観光ホテル
札幌 Microsoft Inspire Japan 2017 Sapporo 10月11日(水) ニューオータニイン札幌

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