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» 2018年01月25日 11時00分 公開

京都大学と富士通、AIを活用した高度医療化を目指す共同研究講座を開設

京都大学と富士通は、新たな診療支援や創薬の実現といったAIを活用した高度医療化に向け、共同研究講座「医療情報AIシステム学講座」を開設。京都大学が保有する各種医療情報と、富士通のAI「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」を活用し、約2年間、共同研究を進める。

[金澤雅子,ITmedia]

 京都大学、富士通、富士通研究所は2018年1月24日、医療分野でAI(人工知能)を活用するための共同研究講座「医療情報AIシステム学講座」を京都大学大学院医学研究科に設置し、2018年1月から2020年3月の約2年間、活動すると発表した。

 現在、医療分野におけるAIは、特定の医療画像の評価や解析などには高い性能を発揮することが分かっているが、より高度な判断を行うAIを構築するには、詳細で時系列にわたる臨床情報を活用する必要があるとされている。それらの情報は、医療関係者による文章記載など構造化されていない部分も多く、電子カルテ内のテキストや数値、医療論文での記述、遺伝子情報、診断画像といった多種多様の膨大なデータを統合・連携して実践応用するためのAI技術はいまだ確立されていないという。また、それらの医療情報の活用には、医療分野の高度な知識を持った研究者とAIの研究者、エンジニアの密な連携による医療のためのAI開発が不可欠だという。

 今回設置する共同研究講座では、京都大学医学部附属病院が保有する患者データなどの各種医療情報と、富士通グループのAI技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」を活用し、京都大学の医師やバイオインフォマティクス研究者と富士通グループのAI技術者が協力して、AIを活用した高度医療化に向けた研究開発を推進する。

Photo 「医療情報AIシステム学講座」の概要図。京都大学は医療分野で広く利用できる将来的な知識データベースの実現や、新たな研究テーマの発見、多様化・膨大化するデータを活用する研究の推進を、富士通は医療分野におけるAI技術の高度化、他分野への展開を目指す

 具体的には、京都大学医学部附属病院の電子カルテに蓄積された患者データや、京都大学がん診療支援データベースシステムに登録されたがん患者データ、京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻 ビッグデータ医科学分野および臨床システム腫瘍学講座が倫理審査で承諾を得ているコホート()を含む高度医療情報などの多種多様なデータを基に、新しい知識や知見を発見するためのAI活用が行えるよう、まずはAI(自然言語処理技術)でデータのクレンジングを行い、解析のための環境を整備する。

【※】共通した因子を持つ集団を一定期間追跡し、追跡で取得したデータ同士を比較することで疾病発生の要因などを研究する際に用いられる母集団



 その後、統合的に整備された大規模データから、AI(機械学習など)により、疾患ごとの共通的な特徴を抽出してモデル化し、医療画像の中からある病気の特性を判別するなどの新たな診療支援や、次世代創薬の発見などに貢献していくことを目指す。

 また、共同研究で開発した知識データベース基盤や得られた知見は、保険などの関連分野での応用も進め、社会に成果を広く還元していくことを目指すとしている。

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