IT活用で女性の働き方はどう変わるのか 「テレワーク体験」から分かったことMicrosoft Focus(2/3 ページ)

» 2018年03月10日 08時00分 公開
[大河原克行ITmedia]

自治体と連携したテレワーク演習で女性の働きやすさをサポート

 日本マイクロソフトは、「女性活躍の場の促進」や「女性の就労選択肢の拡大」に向けた社内外の活動を加速させている。

 これは、同社が経営の柱として取り組む「働き方改革の推進」と、「ダイバーシティー&インクルージョン(D&I)の推進」における取り組みの1つに位置付けているもので、「個人と組織が持つポテンシャルを最大限発揮できる環境づくり」につながる活動になる。これまでに、テレワークの活用をはじめとして、女性の就労に関する取り組みを率先して行い、既に育休から復職する女性の比率がほぼ100%に達していたり、一般的に女性の方が高い社員の離職率が男女でほぼ同率だったりと、女性が働きやすい環境を実現。社外の活動にも積極的に参加している。

 さらに今回は、具体的に2つの新たな活動を開始した。

 1つは、「ウーマンテレワーク体験プログラム」だ。

 地域の支援団体や自治体と連携して、テレワークのスキルの習得や体験のための場を用意し、働く意思がありながらも何らかの事情で職に就けていない地方在住の女性に対して、就労の選択肢拡大を支援するとともに、企業の新たな人材獲得の機会創出を支援するという。

 第1弾として、シェアサテライトオフィスを運営するTristと連携。2018年3月13日から4月6日まで千葉県流山市内の施設を利用して、女性を対象にマインドセット講習、ダイバーシティー講習、キャリアコンサルティング講習、IT講習、テレワーク実施向けスキル講習などを通じて、テレワーカーとしてのキャリア構築検証を行うほか、実際に企業でのテレワーク型インターンを実施する。定員は20人。

 また、同時に企業に対しても、テレワーカー人材獲得検証として、労務管理講習、業務の切り出し講習、ダイバーシティー講習など、テレワーカーを受け入れる企業としてのスキルをオンラインで習得できるようにする。いずれの講習も、無償で実施するという。

 「流山市は、ベッドタウンとして子育て世代が多く住んでおり、一時的に仕事をリタイアしている女性も多い。日本マイクロソフトでは、流山市と連携して、2016年11月28日に共同セミナー『働き方改革と女性活躍』を開催した経緯があり、今回のプログラムの実施へとつながった。テレワークに必要となるITスキルだけではなく、マインドセットやキャリアの棚卸、ダイバーシティーの考え方やメリットなど、幅広い分野のスキル講座を、集合型とオンラインを組み合わせて、女性向け、企業向けに無償で提供。地方在住の女性が、テレワーカーという手段で離れた地域の企業で就労できる可能性を実証するとともに、全国で人材獲得に悩む企業が、テレワーカーという雇用の形を検証して、地方創生につなげていきたい」(日本マイクロソフト コーポレートコミュニケーション本部の岡部一志本部長)としている。

 日本マイクロソフトは事務局としての役割を果たし、同プログラムに参加する女性、企業、講師向けに、「Microsoft 365」の無償トライアル環境や「Surface Hub」「Surface Pro」などのデバイスを貸し出すほか、協賛パートナーのPCの端末も貸し出すことで、テレワーク環境を実現するためのクラウド基盤を提供する。

 ほかにも2018年4月から5月にかけて、佐賀県佐賀市、群馬県みなかみ町、愛知県岡崎市でも、同プログラムを順次展開する予定だという。いずれも20人の定員を予定している。

 ちなみに日本マイクロソフトは、「認定NPO法人育て上げネット」と連携して、2010年から若者就労支援プロジェクト「若者UP」を開始し、ITスキルの習得支援を行っており、ここに参加した女性の中には、ITスキル講習とキャリアアドバイスを受けた後、企業のテレワーク型インターンに参加して、Webデザイナーを目指している例があるという。

 こうした成果も、今回の女性向けプログラムを開始する背景の1つになっている。

 なお、日本マイクロソフトでは、2018年4月17日に、東京・霞が関の霞山会館で、ウーマンテレワーク体験プログラムの実施報告や、今後の女性就労支援の取り組みに関するイベントを開催する。まだ詳細は発表されていないが、今後、正式な告知を行う予定だ。

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