東芝グループは、NTT Comが提供するクラウドマネジメントソリューション「ストレージ最適化ソリューション」(Wasabi Tiering for NetApp)をファイルサーバとして本格導入した。同グループはデータ管理コストを約30%削減できたとしている。
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NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)とWasabi Technologies Japan(以下、Wasabi)、ネットアップの3社は2022年10月12日、東芝グループが「ストレージ最適化ソリューション」(Wasabi Tiering for NetApp)をファイルサーバとして同年9月に本格導入したと発表した。
さまざまな分野でデータ活用が本格化しており、増加するデータの蓄積や管理のためのストレージ関連コストが課題となっている。東芝グループでは、データ容量が1P(ペタ)B(約1000TB)に及び、増大を続けるデータのストレージ関連コストが課題になっていた。東芝インフォメーションシステムズは、東芝グループがストレージ最適化ソリューションを導入したことで、データ管理コストを約30%削減できたとしている。
ストレージ最適化ソリューションは、NTT Comが提供するクラウドマネジメントソリューションだ。3社が、東芝インフォメーションシステムズや東芝デジタルソリューションズと連携して導入した。東芝グループでは従業員約10万人が利用する。
ストレージ最適化ソリューションの特徴は次の4つだ。
1. アクセス頻度に応じた自動ティアリング(階層化)によるストレージ関連コストの削減:アクセス頻度が高いホットデータをストレージ装置に配置し、アクセス頻度が低いコールドデータはWasabiのクラウドストレージサービス「Wasabiオブジェクトストレージ」に配置する。ダウンロード時にWasabiオブジェクトストレージとの間のデータ転送料(通信費用)は発生しない
2. 大規模・大容量のファイルサーバでもストレスなく利用可能:ネットアップのストレージ装置とWasabiオブジェクトストレージをNTT Comのデータセンター構内で接続しており、オンプレミス並みのセキュアで低レイテンシの接続環境でストレスなく利用できる
3. BCPのための拠点冗長構成も可能:ストレージをNTT Comの関東と関西のデータセンターに分散配置することで、BCP(事業継続計画)を図る
4. 構築から運用支援までの一元対応:NTT Comは自社サービスとしてデータセンターやネットワークを所有するため、構築からデータ移行、運用支援までを一元的に支援する
今後3社は東芝デジタルソリューションズのソリューションサービスとの連携を強化して、「世の中のDX(デジタルトランスフォーメーション)やデータ活用、ストレージ関連コストの最適化に努める」としている。ランサムウェアのセキュリティ対策に特化した機能も拡充するとしている。
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