5分で絶対に分かる工事進行基準5分で絶対に分かる(3/6 ページ)

» 2008年07月28日 12時00分 公開
[安達裕哉, 新谷健司(トーマツ イノベーション),@IT]

2分 − 工事進行基準は世の中からの要請

 工事進行基準の適用が決められた背景を説明しましょう。世の中の会社は、どのくらい資産を持っているか、決められた期間の経営成績がどうだったかを計算し、決算書にまとめなくてはなりません。

 売上を“一括計上”(工事完成基準)している場合、決算書に作成中のモノの売上はまったく反映されません。つまり、実際の活動の結果がタイムリーに決算書の売上に反映されないのです。

ALT 工事完成基準 作成中のモノの売上が決算書に反映されない

 決算書は多くの人が、この会社と取り引きしても大丈夫か、この会社の株を買っても大丈夫かなどを判断するために作成されるものです。企業活動・企業価値の実態と決算書の内容にずれが生じてしまうと、これらの判断が正しくできなくなってしまいます。

 このような理由から、会社資産や売上の実情が素早く決算書に反映される工事進行基準に統一するよう、求められているのです。これは、国際的な会計基準コンバージェンス(全世界の決算書を比較しやすくしようという動き)にも関連するもので、世界的な要請なのです。

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