レビュー
» 2004年08月14日 19時50分 UPDATE

レビュー(?)“空調服”の効果をサーモグラフィで検証してみた (1/2)

そのユニークな外観とは裏腹に、「空調服」はよく冷える。しかし、そのとき体には何が起こっているのだろうか。実際に空調服の効果を目で確かめるため、サーモグラフィを使って体表面温度を計測してみることにした。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 ある日、編集部に行くと、机の上に“怪しげなシャツ”と、怪しげなメモが置かれていた。差出人は、一部読者の間でカルト的な人気を誇る新人女性記者のOだ。メモにはこう書かれている。

 「空調服(Yシャツタイプ)です。きっちりボタンをとめ、すそをズボンに入れた方が涼しくなります」。

photo ピーシーツーピーの空調服。今回は左のYシャツタイプを使用してみる

 そういえば、Oが取材に行った「空調服」のレビューをすることになっていたのだ。製品を借りることができたものの、Yシャツタイプだったため、一応女性であるOが着るのは無理がある。いや、別に着てもいいのだが、一部読者を無駄に喜ばせてしまうだけだ。それでオハチが回ってきたのである。

 メモは続く。

 「“中古”を借りてきたので、ややボロボロです。ボタンが一個取れていて、胸ポケットに入ってます。よろしくお願いします オカダ」。

 古着ですかい。

 さらに、メモには補足説明が付いていた。

 「このメモ、ガーナチョコのペンで書きました」。

 くんくん。確かにチョコっぽいニオイが……どうでもいいわ。

  • 参考資料
photo ゼブラが7月に限定発売した「お菓子な香りのジェルボールペン」。上から4番目がガーナチョコ

○○が冷えました

 「空調服」をご存じない方のために、一応解説しておこう。

 と思ったが、面倒なので過去記事をコピペ。「空調服」という名のこの作業着、背中についた2基のファンが、体全体に風を送って汗を気化。気化熱で体が冷えるという仕組みで、お風呂上がりの濡れた体に扇風機が心地よいのと同じ原理だ(出典:Oの記事)

 なるほど。広げてみると、確かに両袖の下〜脇腹に近い部分にファンが2つ付いている。一応、シャツの生地と同系色だから保護色ともいえるが、Yシャツの背中に換気扇のような丸いモノが2つもへばりついているのだから違和感たっぷり。このまま電車に乗ったら、きっと面白いことになる。

photo 外側から見たファン。ちなみにファンを外して洗濯もできるスグレモノだ

 内側をみると、電池ボックスを入れるポケットや、コードが邪魔にならないように留めるタグが付いている。電池ボックスには単3電池3本入れるため、ポケットのある左側が少し重い。

photo 電池ボックス。スイッチは「ハイ」と「ロー」「オフ」の3段階。ハイにすると少しだけ音が気になる。PC用の静音ファンに付け替えてみようか?

 さて、実際の使用感はどうだろうか? そういえば、取材から帰ってきたOは、「かなり冷えますよー」と意味深な笑いを浮かべていた。大げさに言っているのだと思うが、念のため、モバイル編集部のS記者を人柱にする。


 はわれわれは空調服を甘く見過ぎていたようだ。ほんの20-30分しか経っていないのに、Sはまるで冷房の効きすぎた喫茶店から這い出てきたような顔をして、空調服を返してきた。

 「どうだった?」

 「腎臓が冷えました」

  • 参考資料
photo 腎臓は、血液中の老廃物や余分な水分を尿として体外に出す臓器。脊柱の両側に左右一つずつあり、大きさはその人の握りこぶし程度という。そら豆のような形をしていて、表面はガーナチョコレートのような茶色だ。ちなみに写真はそら豆

 かなり冷えるらしい。本来は暑い場所で着るための服だから、冷房の効いた社内でデスクワークをしていたところに無理があったのだろうか。人柱を立ててよかった(ぼそ)。

 なお、腎臓は大切な器官なので、冷やしてはいけない。S記者はあのように言ったが、空調服の場合はファンの位置が脇腹のほうに寄っているため、直接風が腎臓の辺りに吹き付けないようになっている。念のため。

空調服の効果を目で確かめる

 さて、よく冷えることは分かったが、そのとき体には何が起こっているのだろうか。実際に空調服の効果を目で確かめるため、サーモグラフィを使って体表面温度を計測してみることにした。

photo NEC三栄のサーモトレーサ「TH5108ME

 検証に使用したのは、NEC三栄のサーモトレーサ「TH5108ME」。TH5108MEは、検出部・画像表示部・保存部を一体化した医療用サーモグラフィで、簡単かつスピーディに計測を行えるのが特徴だ。最大256色表示の液晶画面、オートフォーカスなど多彩な自動機能を備え、煩わしい調整は必要なし。医療現場で話題沸騰のサーモグラフィ装置なのだ。

 なにやら広告くさい文章になっているのは、サーモグラフィを“無料”(タダと読む)で借りてきたためだが、実際に使ってみると本当に簡単だった。医療機器というとつい構えてしまうが、「オート」設定でほとんど手間いらず。ただ、さんざんいじくった後で「この機械、350万円するので、扱いには気を付けてください」などと言われるのは、腎臓、いや心臓に悪い。

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