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アミノ酸で分かった?、金メダリストとIT戦士の違いWeekly Access Top10(10月29日〜11月4日)

» 2004年11月05日 20時14分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 今週は、発売を間近に控える(5日現在、アップルストアで注文は受け付けているが、出荷は1-2週間後となっている)iPod Photoのファーストインプレッションを伝える記事が1位に輝いた。

 そのほかにも安価な液晶テレビや1万円以内で購入できる学習型リモコン、電子辞書、ポータブルAVプレーヤーなどのレビュー記事が人気を集めている。みなさん、冬のボーナスをそろそろ意識されているのだろうか? 「年末こそプロジェクターを買ってホームシアター」という優雅なかたは、麻倉怜士氏の「デジタル閻魔帳」もぜひ参考にして頂きたい。

 間もなく本格的に開始される年末商戦へ向かって盛り上がるAV業界だが、AV業界にとって、アテネ五輪が開催された夏も“アツい”時期だった。もちろんAV業界だけではなく、選手もアツかった。獲得メダル数が合計37、うち金メダルが16という成績は過去最高だ。

 先日、味の素がJOC(日本オリンピック委員会)およびオリンピックに出場する選手・団体に対して栄養面でのサポートを行う「アミノバイタル ビクトリープロジェクト」の報告会が行われ、男子ハンマー投げの金メダリスト、室伏広治選手らが栄養とスポーツに関するパネルディスカッションを行った。

photo アテネオリンピック男子ハンマー投げ金メダリスト 室伏広治選手

 「もともと体重が少なくて、体重を増やすことに腐心していたんです。ですが、食事だけの栄養補給ではうまくいかないことも多くて……。アミノ酸を積極的に摂取するようになってから強度の練習に耐えられるようになり、結果として体重(筋肉)も増やすことができました」(室伏選手)

アミノ酸マメ知識1

 飲料でも最近その名前をよく聞くアミノ酸。なぜアミノ酸が注目されるかというと、人の体重のうち約20%をしめるタンパク質(三大栄養素としてもおなじみ)を構成する“部品”が実はアミノ酸だから。

 タンパク質自体は食事から摂取することができるが、スポーツ選手のように体を酷使する人の場合、食事からだけでは補えない場合も多い。それに、大量の食事で摂取しようとすると脂肪やコレステロールの取りすぎにもつながりかねず、栄養のバランスを崩してしまうことにもなりかねない。

 そこで、タンパク質の元になるアミノ酸をダイレクトに体に取り込もうという発想が生まれた。「1950年頃から医療の現場で使われるようになり、手術の前後にアミノ酸を摂取することで傷の治りが早くなることなどがわかった」(三重大学教育学部助教授 杉田正明氏)

 最近では健康促進などへも積極的に使われるようになり、なかでも、スポーツにおけるパフォーマンス向上のためにサプリメントを摂取するという「スポーツ・エルゴジェニック」という考えのもと、アミノ酸を摂取することへの注目が集まっていた。

 杉田助教授によると、アミノ酸を長期的に服用することで貧血の改善など栄養補助(スポーツ選手ではコンディション作り)に効果があるほか、短期的には血中乳酸濃度を低くしたり、筋肉疲労からの早期回復が可能になるなどの効果が認められるという。

 ディスカッション後には、「北京オリンピックと世界大会での優勝、そして世界記録も狙っていきたい」という室伏選手も愛用の「アミノバイタルプロ」が配られた。

photo アスリート向けに調整された「アミノバイタルプロ」と、手軽に摂取できる「アミノバイタル」のタブレットタイプ(左)。タブレットタイプは4錠のなかにロイシン0.42グラム、イソロイシン0.34グラム。バリン0.28グラム、グルタミン0.49グラム、アルギニン0.47グラムと合計2グラムのアミノ酸を含有する

アミノ酸マメ知識2

 体を構成するアミノ酸は20種類。そのうち9種類(必須アミノ酸)は体内で生成することができないため、食べ物で摂取するしかない。その9種類は「バリン」「イソロイシン」「ロイシン」「ヒスチジン」「メチオニン」「リジン」「フェニルアラニン」「スレオニン」「トリプロファン」。

 「バリン」「イソロイシン」「ロイシン」は筋肉や肝機能の強化、「ヒスチジン」は副交感神経鎮静、「メチオニン」は解毒・抗腫癌、「リジン」は食欲増進・カルシウム吸収促進などの働きがある。

 「アスリートは自分の体に敏感でなくてはならないと思います。その時々で、自分に何が必要かを感じ取れないといけない。日ごろから、のどが渇いているときでも、どんな飲み物がいいのかなどを考えて、摂取することを心がけています」(室伏選手)

 さすがだ。不健康きわまりない生活を送りがちなIT戦士たちとは訳が違う。

 練習前後や就寝前に飲むことで、コンディショニング調整や疲労回復のスピードを高めるアミノバイタル。疲労回復にも効果があるならば、ハードワークをこなす編集部員にとっても朗報ではということで、さっそく編集部内でテイスティングしてみた。

 「グレープフルーツに漢方薬を混ぜた感じ。結構イケル。」「かんきつ系の味はない方がいいかも」というOK派が数人、「後味が苦手」「……。うーん」というやや苦手派が数人。

 その中で、粉末タイプを口に含んだ瞬間に「ぐへふっ!」とのたうち回ったのが、鬼軍曹と呼ばれ、新米IT戦士のO記者を日々鍛えている記者Kだった。

 「かんきつ系が苦手なことを忘れていました」(記者K)

 どうも好みは分かれるようです。

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