東芝とパイオニアが相次いで対応したのがCPRM対応DVD-Rメディアへのコピーワンスコンテンツのダビングだ。注目度も高い新機能であったが、現状では本来の魅力は発揮していない。
理由の1つはCPRM対応DVD-Rメディアの価格が500円程度と、CPRM対応のDVD-RAMやDVD-RWと比較して、むしろ高価な点だ。本来、DVD-RはDVD-RAMやDVD-RWよりも安価に製造できるのだが、CPRM対応ではメディア1枚1枚に個別にIDを記録するという製造上のプロセスが1つ増え、現状では需要も限られるため生産量も少なく低価格化が進んでいない。価格面は普及と共に改善すると思うが、現状では積極的に利用する気にならないのも分かる。
また再生互換性も課題だ。DVD-Rは反射率など物理的にはDVD-RAMやDVD-RWよりも再生互換性に優れるのだが、DVDビデオ形式ではなくDVD-RWと同じDVD-VR形式でで記録しているため、現状の再生互換性はDVD-RW(DVD-VR形式)と同程度か、むしろ低いという実情がある。
CPRM対応DVD-Rメディアへの対応は潜在的には魅力があるのだが、現状ではそのメリットは発揮されていないし、メディアの価格がいつDVD-RWやDVD-RAMと逆転するかも不透明だ。確実に魅力的といえるのは、ダビング速度が高速な点。この点に魅力を感じないなら、あまりこだわる必要はなさそうだ。
LAN接続を利用したネットワーク対応は、先行していた東芝がエントリーモデルまでほぼ全面的に採用、松下電器がハイエンドモデルの「DMR-E500H」で対応となった。東芝は地上波EPGにADAMS-EPGを採用した都合上、インターネット利用のDEPGでADAMS-EPGを受信できない地域で補完する目的もあるのだろうが、かなり積極的に動いている。
東芝RDシリーズで注目すべきは、メーカーの東芝自身の想定外に盛り上がっているPC連携だろう。本来対応したRDシリーズ同士でのLAN経由でのダビング機能である「ネット de ダビング」だが、フリーソフトの「VirtualRD for Windows」を利用すると、コピーワンスコンテンツでなければLAN経由でPCへ無劣化ダビングが行え、さらに録画品質(MPEG2)のまま、PCで再生することも可能になったからだ。
もともとRDシリーズのPC連携機能は、PCからiEPGで予約録画可能だったり、ほぼ全ての操作が仮想リモコンで可能だったりと強力なため、「VirtualRD」の登場により、あたかもPCの外付けテレビチューナーのような感覚で利用可能になった。あくまでメーカー保障外の使い方ではあるが、PCユーザーにとってもRDシリーズが極めて魅力的な存在であることは間違いない。
松下の「DMR-E500H」は、ある意味RDシリーズとは対照的で、UPnPをベースとしたDLNAのガイドラインに沿ったビデオサーバ、クライアント機能を搭載してホームネットワークのコアを目指したものだ(関連記事)。携帯電話を利用するリアルタイムの録画予約や操作機能も便利で、出先から手軽に録画予約を行いたい人に向いている。ただし、携帯電話連携は有償サービスであることは念頭に置いておきたい。
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