「DMR-E500H」は、松下電器産業のDVDレコーダー“DIGA”シリーズの中でもユニークな存在だ。ハイエンドという位置付けながら人気の「どっちも録り」は搭載せず、代わりにモバイル&ホームネットワークに注力。しかも、HDDに録り貯めた番組を、ほかの部屋にあるレコーダーで再生できる機能は、まだ他社製品には見られないものだ。
そのホームネットワーク機能が、DLNAのガイドラインに沿って開発されたという点でも注目を集めている「DMR-E500H」だが、新しいコンセプトは今後の製品展開にどう影響してくるのか。開発の経緯からDLNAとの関わり、そして将来の見通しまで、開発を担当したパナソニックAVCネットワークス社ネットワーク事業部の永井隆弘主幹技師に話を聞いた。
――まず、DMR-E500Hのホームネットワーク機能を教えて下さい。
「ネットワーク機能には大きく分けて2つあり、一つはハードディスクに録りためた番組を他の部屋にあるDIGAでも再生できるようにしたこと。もう一つはパソコンとの連携ですね」(関連記事)。
「DVDレコーダーの機能としては、“どっちも録り”を除いてほとんど盛り込みました。MPEG-4録画やDV端子、アナログ5.1chの音声出力など、DMR-E330Hにには入っていない機能が多くあります」(関連記事)。
――何年も前から、展示会などに「AVCサーバー」のコンセプトモデルを出展していましたが、製品化まで随分時間がかかりましたね。
「ホームサーバに近いコンセプトの物は、1999年のエレクトロニクスショー(現在のCEATEC JAPAN)に出した『デジタルホームライブラリー』(DHLib)が最初です。2.6GバイトのDVD-RAMが50枚も入るチェンジャータイプの録画機で、テレビ番組を片っ端から録り貯めるというコンセプトでした」(DHLibはHAVi仕様のネットワーク機能やEPGも搭載していた)。
「その後、Broadnowのようなセットトップボックスや、HDDレコーダーにネットワーク機能を付加したものも展示したこともありましたが、話題にはなっても製品化には至りませんでした。しかし、HDDを搭載したDMR-HS2(2002年発売)が評判になり、やはりハイブリッド型のDVDレコーダーに搭載するべきだと。それがAVCサーバーです」。
「製品化には時間がかかりましたが、EPG(電子番組表)やデバイスなども揃い、技術的な問題もクリアになった。そのタイミングでE500Hを製品化しました」。
――DLNA(Digital Living Network Alliance)〜以前はDHWGという名称でしたが、当初からサポートする予定だったのですか?
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