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» 2005年01月27日 22時21分 UPDATE

スパイダーマンの足を引っ張るAV――苦戦続くソニー (1/2)

ソニーの2004年度第3四半期の業績を発表した。映画や金融などは堅調ながらも、AV分野の苦戦はかわらず、売上高・営業利益ともに前年同期を下回る厳しい結果となった。

[渡邊宏,ITmedia]

 ソニーは1月28日、2004年度第3四半期(10-12月期連結決算)の業績を発表した。売上高は2兆1482億円で、前年同期(2兆3234億円)と比べて7.5%減、営業利益は1382億円と前年同期(1588億円)から13%のマイナスとなった。映画や金融の業績は好調だったが、デジタル家電の価格下落が進むエレクトロニクス分野の減収が“足を引っ張った”ようだ。

photo 2004年度第2四半期の業績を説明する同社 執行役副社長兼グループCSO&CFOの井原勝美氏

 映画分野は前期に引き続き好調。「スパイダーマン2」「となりのサインフェルド」といった作品のDVD/VHS売り上げが好調だったほか、1月に米国で公開された「The Grudge」がヒットし、営業利益は昨年同時期の3.3倍となる186億円を記録した。ソニー生命、ソニー銀行の手がける金融分野も堅調で、金融分野の収入は前年同時期比5.5%増の1450億円、営業利益は前年同時期比9.8%増の139億円となった。

photo 映画分野は引き続き好調

 課題とされていたエレクトロニクス分野は、売上高1兆5108億円・営業利益494億円。いずれも前年度比マイナス0.9%・マイナス23.3%という厳しい数字に終わった。

photo エレクトロニクス分野の営業利益は前年同時期に比べマイナス150億円(マイナス23.3%)という厳しい結果になった

 同社執行役常務の湯原隆男氏は、同分野を製品種別ごとに見て「フラットパネルTV、液晶リアプロジェクションTVは好調だったが、ブラウン管ディスプレイ、パーソナルオーディオの落ち込みをカバーできなかった。欧州市場におけるカムコーダも、単価下落を受けて収益が伸び悩んでしまった」と語る。

 井原氏は収益性悪化が指摘される同分野について、改善策を説明。現状を厳しく認識しながらも、改善は可能だと主張した。強化ポイントとして挙げられたのは「ディスプレイ事業」「デジタルイメージングビジネス」「コネクトカンパニー」「半導体・キーデバイスへの投資」の4項目。

「ディスプレイビジネスの強化」

 テレビのフラット化が進むなか、収益確保に苦しんでいる同社の一番の強化点はここになる。Samsungとのジョイントベンチャー「S-LCD」で開発・生産する液晶パネルと、「SXRD」を利用したリアプロジェクションテレビに経営資源を集中する。キーデバイスの内製化を進めて、コスト競争力を高める方針だ。

「デジタルイメージングビジネス」

 同社がCESでもアピールしていたように、ビデオカメラのHD対応を推進していく。「HDを一度体験すると、SDには戻れなくなる」(井原氏)。また、メディアに8センチDVDを利用するDVDビデオカメラは、「DVDレコーダーとの親和性も高い」(同)ことから積極的に展開していくことを明確な方針とした。

「コネクトカンパニー」

 昨年12月末に設立が発表された「コネクトカンパニー」にかけられている期待は想像以上に大きいようだ。

 「パーソナルオーディオはiPodに押されて不況に陥っている。しかしここはソニーが作ってきたマーケット。負けるわけにはいかない。設立したコネクトカンパニーにリソースを投入し、“さすがソニー”といわれるハード・ソフトを作り出して巻き返す。(ハード・ソフトには)色々な形が考えられるので、そこにソニーのクリエイティビティを発揮したい」(井原氏)

「半導体、キーデバイスへの投資」

 収益利率が低下している同社だが、内製率を高めるためにも、投資は継続していく。「SXRDデバイス、LCDのドライバやバックライトなど、ディスプレイやイメージングに関する半導体およびキーデバイスへの投資を継続する」(湯原氏)

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