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“ガツン”とくるヘッドフォン型MP3プレーヤー「itan Egoiste」レビュー(2/2 ページ)

» 2005年04月15日 22時03分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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 楽曲を転送した状態でヘッドフォンを装着、「再生」ボタンを押すと再生が開始される。「ライブハウスやホールにいるような、低音がガツンと体に響くような音を聴きたいという開発部の“わがまま”から生まれた商品」(同社)ということなので、ハードロックを中心に試聴してみたが、本当に“ガツン”とくる音質だった。

 文字通り低域をかなり強調する作りになっており、ベースやバスドラムの音はかなり強烈だ。ややドンシャリっぽくも聞こえるが、40ミリのドライバを搭載した密閉型ヘッドフォンということもあり、音圧も十分。一言で言えば「元気なプレーヤー」だ。

photo 装着例

 操作も非常に単純。ちょうど右手の人差し指・中指に「再生」や「停止」のボタンがかかり、親指の腹にはボリュームダイヤルがフィットする。操作自体にはまったく迷うことがないのだが、再生/停止のボタンはクリック感がありすぎるためか、ボタンを押す度に「カチッ」「カチッ」というクリック音が耳に響く。ちょっと気になるところだ。

photo 操作するときにはこうなる

 ボリュームダイヤルを押し込むことでイコライザーを機能させることができ、押し込むごとにJAZZ−EGOISTE−LIVE−CLASSIC−R&Bと切り替わる。製品名にもなっている「EGOISTE」は目いっぱい低音ブーストをする設定。低音をかなり強調するかわりに中域がこもった感じになる。少々やりすぎのような気もするが、元気があっていいということにしよう。

 密閉型ということで装着感も大事なポイント。これは人によってさまざまなので、ITmedia編集部の数人に試着してもらった。

 「特に何とも思わない」「ちょうど良い」「ハウジングが小さくて、きつさを感じる」「少し重い」「板バネが強くて長時間の利用はツライ」

 おおむね装着感そのものについては好印象の様子。ハウジングの小ささを指摘する声があったので、実際にサイズを測ってみたところ内径は約52ミリ×約31ミリだった。やや小さめといえるが、着用に支障が出るほどではない。重さを指摘した声もあったが、本製品の重量は192グラム(本体のみ)。単4形乾電池を2本装着しても210グラム程度に収まる。密閉型ヘッドフォンとしてはそう重いとはいえないだけに、重いと感じるかどうかは個人差の範囲内といえるだろう。


 筆者は仕事柄デジタルオーディオプレーヤーを扱う機会が多いが、「音がいまひとつシックリ来ない……」と感じたときには、まずヘッドフォンを交換する。標準のヘッドフォンを否定するわけではないが、音の最終的な出口であるヘッドフォンを交換すると、ガラリと印象が変わるからだ。

 本製品はその形状からヘッドフォンを交換することはできないが、そのかわりに40ミリ径のドライバを搭載した密閉型ヘッドフォンが組み合わされており、ロックやエレクトロ、ヒップホップなどをガンガン聞き込むユーザーへ、音楽に没頭できる環境を提供してくれる。

 価格はオープンだが実売想定価格は1万3800円程度となる見込み。ヘッドフォン部分のコストもあるとはいえ、256Mバイトのメモリを搭載したデジタルオーディオプレーヤーとしてはやや高価といわざるを得ない。これだけの迫力を提供してくれる製品はなかなか見つからないだけに、もう少しだけ頑張れなかったかな……というのが正直な感想だ。

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