松下電器産業の「DIGA」2005年春モデルの中で、もっとも中身の濃いモデルチェンジとなったのは、3 in 1の「DMR-EH70V」だろう。3 in 1の場合、そもそもデザインの自由度があまり高くないこともあり、外観こそ旧モデルにあたる「DMR-E150V/E250V」ほぼそのまま。しかし、機能の追加点や強化点は最も多い。
旧モデルになかった機能は、アナログBSチューナーとSDスロットだ。以前のS-VHS/VHSデッキにはアナログBSチューナーを備えた製品が多く、旧モデルではアナログBSチューナーの欠如を乗り換えの障害に挙げる人も少なくなかった。そもそも3 in 1を選択するユーザーの場合、設置スペースの問題で“買い増し”ではなく“買い換え”を狙っている人が多いだろうから、アナログBSに対応する意味は大きい。
SDスロットは静止画のみの対応だが、DIGAの場合、再生だけではなくHDDやDVD-RAMへのダビングまでサポートしているため、デジタルカメラで撮影した画像のバックアップにも使える。この記事を読んでいる人は当然PCを使っているだろうが、PCを使わない家族がいるなら便利だろう。
主な機能強化点は、同じく2005年春モデルの「DMR-EH50/EH60」に準ずる。電源OFFの状態から1秒で番組表が表示されるクイックスタート機能を備え、リモコンも「かんたんくるくるリモコン」に変更された。高画質化回路も「DIGAエンジンII」となり、LPモードまでD1解像度(720×480ピクセル)が保持されるようになった。このあたりは、DMR-EH50のレビューを参考にして頂きたい。
DVDドライブは、DVD-Rが最大8倍速書き込み、DVD-RAMが最大5倍束のタイプに変更された。DMR-E250Vが事実上DMR-E150Vの派生バージョンとして登場したため、DIGAは3 in 1モデルのみが8倍速世代へのアップデートが遅れた訳だが、遅ればせながら競合製品に見劣りしない性能になったわけだ。ダビング速度や書き込み品質もDMR-EH50とほぼ同じ傾向を示したので、こちらもDMR-EH50のレビューを参考にして頂きたい。
細かな点では、従来はVHSユニット側の出力がS端子に対応していなかったが(正確にはHDD/DVDへのダビング機能を活用すれば出力できた)、DMR-EH70VではVHS/HDD/DVD共用出力(出力1)がS対応となり、S出力によるテレビとの接続をすっきりできるようになった。D端子出力を含む「出力2」がHDD/DVD専用となる点は旧モデルと変わらないが、より多くの人にとって便利な仕様に変更されたのは間違いない。
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