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外観そのまま、中身は別物の新3 in 1――松下「DMR-EH70V」レビュー(4/4 ページ)

» 2005年05月09日 19時01分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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 静止画のダビングは、1枚、複数、さらにフォルダ単位で指定できる。またダビングメニューとは別に、SDメモリカード内の静止画をまるまるダビングする機能も用意されている。HDDやDVD-RAMでもフォルダ管理されるため、大量の画像をダビングしても管理は容易だ。

photo 写真単位、フォルダ単位ともに一覧から複数選択してダビング(コピー)できる
photo SDメモリカード内の静止画の一括ダビングは「その他の機能」にある。とりあえずメモリカードバックアップ、という時に便利だ。なお、HDDやDVDからの一括ダビングはできない

 ちなみに300万画素の「DMC-FX1」の最高品質で撮影した静止画(1枚1.1〜1.2Mバイト程度)の場合、SDメモリカード→HDD、HDD→SDメモリカード、DVD-RAM→SDメモリカードのダビングが概ね1枚1秒、SDメモリカード→DVD-RAMのダビングが概ね1枚6秒程度だった。DVD-RAMへのダビング時間が極端に長いが、ビデオのダビングと異なり、書き込み時にベリファイを行っているのだろう。ちなみにDVD-RAMは5倍速書き込み対応メディアを使っている。

 再生はフォルダ単位の一覧から画像を選択する。左右キーで前後の静止画への移動もできる。再生は高速ではないが、リビングでみんなで楽しむというレベルであれば不満は出ないだろう。ちなみに1枚の表示に要する時間はSDメモリカード、HDD、DVD-RAMのいずれからでも7〜8秒といったところ(画像は1枚1.1〜1.2Mバイト)。メディアの読み書きではなく、単に画像の展開に時間を要しているようだ。

 スライドショー再生も可能だ。テレビで再生する場合は、こちらがメインになる場合も多いだろう。また手動操作になるが、VHSユニットの入力をHDD/DVDユニットに切り換えて、スライドショーをVHSテープにダビングすることもできる。子どもの成長記録を祖父母に送る場合など、意外とおもしろい使い方ができそうだ。

photo 一覧でフォルダ選択にフォーカスを移し、サブメニューを呼び出すとスライドショー表示が可能。表示間隔は1秒単位で設定できる

ブロードバンドレシーバーにも対応、多くを望める3 in 1

 DMR-EH70Vは、別売の「ブロードバンドレシーバー」(DY-NET2-S)にも対応している。インターネット常時接続環境であれば、外出先から携帯電話やPCを使って、録画予約やDMR-EH70Vのダイレクト操作も可能だ。同社の直販サイト「PanaSense」でしか入手できないが、価格はいつのまにか9980円に値下げされており(発売当初は1万5000円前後だった)、それほど高価でもない。また携帯電話やPCから静止画を送信してDMR-EH70Vに保存する、DMR-EH70Vに保存した静止画を携帯電話やPCで再生するサービスも開始されており、コミニュケーションツールとしても面白そうだ。

 3 in 1型のレコーダーは、ファミリー層向けの製品という色が強く、ネットワーク機能などはサポートしない製品がほとんどで、オプションとはいえ携帯電話からの番組予約が行えるという点では貴重な製品といえる。設置場所の都合で3 in 1しか買えないけど、録画予約は出先からもしたい、といった人には現状唯一の選択肢だろう。ネットワーク機能を重視している東芝の「RDシリーズ」ですら、3 in 1のRD-XV34/44では携帯電話からの録画予約機能はカットされているのだ。


 DMR-EH70Vは、HDD+DVDレコーダー部が同社の最新スペックとなり、VHSビデオデッキからの乗り換えを考慮している人には要望も多かったであろうアナログBSにも対応した。欠けている部分を挙げるとすればDV入力端子だが、致命的な弱点とまではいえない。どうしても必要なら、AV入力で補うこともできる。DV入力があった所でPCのようにデジタルコピーが行えるわけではないからだ。

 むしろ気になったのはユーザーインタフェース。ダビング操作に関しては競合製品の方が親切と思える部分が散見された。ダビング機能の操作性では、約1年前に登場したDMR-E150Vから大きな変更がなく、この間に競合製品が改善を進めてきた訳だ。

 VHSユニット側の録画予約もEPGを使えるが、管理自体はHDD/DVDとVHSユニットが独立している。競合製品にはそもそもVHSでの予約録画をサポートしない、あるいはEPGで予約できないといった製品もあるから弱点とはいえないが、たとえばVHSで予約しておいたものをHDDに切り換えたくなったとき、VHS側の予約をキャンセルし、HDD側で再予約といった手順になってしまう。この点は予約録画管を統一した「RD-XV34/44」に軍配があがる。

 もちろん最新の3 in 1として魅力も多いのも事実だ。とくにHDD/DVDユニット側は旧モデルから大幅に機能強化され、スポーツ中継延長にも対応。アナログBSチューナーも内蔵し、DVDドライブも8倍速世代になるなど競合製品に見劣りする部分はなくなった。EPGも最大7局4時間表示と一覧性が向上し、クイックスタート機能という競合製品にはない魅力も備えた。またS-VHS再生+DIGAエンジンIIにより、長時間録画テープをD1解像度のままDVDビデオにダビングできる点は、競合製品にはない大きな魅力といえるだろう。

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