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外観そのまま、中身は別物の新3 in 1――松下「DMR-EH70V」レビュー(3/4 ページ)

» 2005年05月09日 19時01分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 S-VHSで録画されたテープを、S-VHSクオリティでダビング可能な機能も継承している。今のところ、この機能を備えているのはDIGAとビクターの製品のみで、他社の製品は「SQPB」(VHSクオリティでの再生)止まりだ。本当に画質にこだわるなら、かつてのハイエンドS-VHSビデオデッキで再生し、外部入力でのダビングが正解だとは思うが、手軽さと高画質の両立という点ではやはり魅力だろう。

photo 初期設定でS-VHS録画されたテープからのダビング時の再生モードを選択できる。基本的に「S-VHS再生」を選択しておけば良いが、再生に問題が発生した場合には「SQPB」を利用する

 また、DIGAエンジンIIにより実現したLPモードのD1解像度化のメリットも、VHSからのダビングでは意味が大きい。160分/180分テープに標準モードで録画した番組でも、D1解像度のまま再生互換性の高いDVDビデオフォーマットでDVDメディア(DMR-EH70Vの場合はDVD-R/DVD-RW/DVD+R)へダビングできるからだ。

photo オリジナルS-VHSテープ。画像は、スカパー!/スカパー!110、ケーブルテレビで放送中のディスカバリーチャンネルより、シリーズ“未解決の歴史”「アジアのミステリー:万里の長城の秘密」(c)2005 Discovery Communications Inc.  TEL:0120-777-362
photo SPモードでダビングしたものを再生した画像。ダビング後も情報量の減少はほとんど感じない
photo LPモードでダビングしたものを再生中。諧調表現が若干乏しくなっているが、解像感は大きく変化しておらず、D1解像度のメリットを感じる

 DVDメディア1枚に180分(3時間)までという条件ならば、東芝の「RD-XV34/44」が4/5 D1(544×480ピクセル)、ビクターの「DR-MX5/MX3」が2/3 D1(480×480ピクセル)と、1/2 D1(352×480ピクセル)より高い解像度の録画をサポートしている。しかし4/5 D1、2/3 D1といった解像度はDVDビデオでは規格外となるため、ビデオモードでのダビングは行えず、VRモードになってしまうのだ。RD-XV34/44の場合は、DVD-RへVRフォーマットでダビングできるため、コスト面でのデメリットはないものの、再生互換性を考慮するとやはりDVDビデオフォーマットでダビングしておきたい。

 なお3 in 1モデルの中では、パイオニアのDVR-RT7Hが、DVDビデオフォーマットでDVDメディア1枚に3.5時間までD1解像度でダビングできる。S-VHSで160/180分テープに標準モードで録画した番組をD1解像度でDVDビデオ化したい人は、今のところDMR-EH70Vか、DVR-RT7Hのどちらかを選択することになるだろう。DVR-RT7Hは未発売だが、現時点で公開されている情報で確認する限り、S-VHS再生機能は持たないようなので、DMR-EH70Vのほうが有利かもしれない。

3 in 1だからこそ……の使い方もできるSDスロット

 旧モデル追加されたのがSDスロットだ。残念ながら「DMR-E500H/E200H/E100H」のようなMPEG4録画には対応していないが、SDメモリカードに記録した静止画を再生したり、HDD/DVD-RAMにダビングすることができる。もちろんHDDやDVD-RAMにダビングした静止画も再生したり、SDカードに書き戻すことも可能。冒頭でも触れたように、PCを使わない家族がデジカメバックアップ用に使うと便利そうだ。

photo 静止画の一覧は、4列×3段の12枚ずつの表示。サムネイルは表示のたびに作成するため、1画面全てのサムネイル表示には10秒程度は待たされるが、操作が優先されるのでそれほどストレスは感じない
photo フォルダ選択にフォーカスして決定を押すと、表示するフォルダを選択できる
photo 撮影画像をテレビで再生したところ。静止画の表示品質も悪くない。解像度もテレビで楽しむには十分だ

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