もうひとつ、マクロレンズで重要なのは「ワーキングディスタンス」だ。これはレンズの先端から、ピントが合う被写体までの距離のこと。撮像素子面から被写体までの距離を表す「最短撮影距離」とは異なるので注意したい。ちなみにコンパクトデジカメの場合は、スペックにある最短撮影距離とは、実際にはワーキングディスタンスを指すことが多い。
ワーキングディスタンスに余裕がないと、レンズ自体の影が被写体に写りやすいなど、なにかと不自由である。「EF-S60mm F2.8 マクロ USM」の等倍撮影時のワーキングディスタンスは90ミリと、このクラスのマクロレンズとしては最も長く、横から照明を当てる作業などもしやすい。
同じくキヤノンの「EF100mm F2.8 マクロ USM」では、等倍撮影時のワーキングディスタンスは149ミリとさらに長い。ただし、そのぶん焦点距離も長く、APS-Cサイズのデジタル一眼レフ機では、撮影画角が160ミリ相当になる。近くまで寄れない小さな昆虫などを撮る場合には、100ミリマクロのほうが向いているが、それ以外のケースでは60ミリマクロのほうが使いやすいだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR