実はマクロレンズではなくても、ある程度の接写はできる。特に、最近のズームレンズは最短撮影距離が短く、かなり高い撮影倍率を得られる。たとえば「EOS 20D」や「EOS Kiss Digital」とのキット発売も行われた、安価な標準ズーム「EF-S18-55mm F3.5-5.6 USM」の最大撮影倍率は0.28倍だ。数値上は、60ミリマクロの等倍よりは低いものの、マクロ以外のレンズとしては非常に優秀な接写能力といえる。
具体的いうと、「EF-S18-55mm F3.5-5.6 USM」のズームのテレ端を使った場合、百円玉を横方向に3枚、縦方向に2枚の計6枚を敷き詰めた状態を画面いっぱいに写せる。つまり、名刺よりも一回り小さいサイズをとらえられる。これほどの接写倍率があれば、一般的な用途には十分かもしれない。
しかし、マクロレンズのメリットは、単に接写倍率がより高いだけではない。接写時の画質に優れることがマクロレンズの大きな魅力だ。このことは「EF-S60mm F2.8 マクロ USM」にも当てはまる。標準ズーム「EF-S18-55mm F3.5-5.6 USM」は価格の割には良好な画質だと評判のレンズだが、さすがに「EF-S60mm F2.8 マクロ USM」に比較すると、差は一目瞭然だ。
なお、標準ズーム「EF-S18-55mm F3.5-5.6 USM」は、デザインの一部をマイナーチェンジし、現在はII型となる「EF-S18-55mm F3.5-5.6 II USM」を発売している。下の作例では旧製品を使用したが、光学性能は現行製品まったく同じと考えていい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR