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真面目に考えた“カメラ付き”――ソニー「ICD-CX50」レビュー:ビジネスに使えるICレコーダー(3/3 ページ)

» 2005年05月25日 23時56分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 もちろん、「ピクチャーブックマーク」はPC上でも有効だ。パッケージに付属する専用ソフトは、カメラ機能の追加に合わせて「Visual and Voice Editor 1.0」となり、画像の追加や編集などピクチャーブックマークの編集機能を備えた。

photo 「Visual and Voice Editor ver.1.0」の画面。矢印ボタンでファイルコピー開始(ドラッグ&ドロップも可)。録音したファイルはWAV(44.1kHz/16bit/ステレオ)への書き出しも可能だ
photo ブックマーク編集画面。同機で撮影した画像ならブックマークとして追加できる

 再生時には、タイムラインに沿ってピクチャーブックマークが配置され、右下には拡大画像も表示する。もちろん、ピッチコントロールやデジタルボイスアップ、A-B間リピートといった機能も従来の「Digital Voice Editor」から継承。プレーヤーの再生/停止/スキップといった操作をキーボード上で行える「書き起こしキー」の機能もあり、写真による一覧性向上と合わせて効率良く作業を進めることができる。

photo 「書き起こしキー」はカスタマイズ可能

 なお、ICD-CX50で記録したファイルは、「VOISCAPE」という独自形式で保存されている。これは、音声(DVFファイル)と画像(JPEG)、インデックス情報(PIN)を1つにまとめたもの。MP3やWMAを使って録音するICレコーダーに比べると汎用性という点で劣るが、ここまで特殊なファイル形式になると逆に納得できるから不思議だ。

 録音したものを他人に渡す場合は、WAVへの書き出し機能を使うか、相手のPCに「Player Tool ver.1.28 for Windows Media」をインストールする必要がある。ピクチャーブックマークを継承することはできないが、音声再生は可能だ。

photo CD取り込み機能も搭載。ICレコーダーで音楽や語学教材を持ち歩ける
photo ソフト上でレコーダーを設定することも可能だ。録音モードや画像サイズを始め、カウンター表示の変更など本体メニューと同等の細かい設定が行える
photo PCとの接続はUSB。ケーブルは付属している

 前回、同じソニーの「ICD-MX50」を取り上げたとき、録音中にブックマークを打てないことを難点として挙げた。対して「ICD-CX50」は、指向性マイクや外部メモリといった機能はないものの、強力なブックマーク機能を持っている。

 “カメラ付き”というと、何となく安直でミーハーなイメージも付きまとうが(偏見?)、画像による検索性アップという恩恵は、ICレコーダーを頻繁に使う人ほど理解できるはずだ。ICD-CX50の場合は、しっかり用途を考えて作り込まれた製品だと感じた。

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