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ネット対応HDD音楽レコーダー「BiBio JukeBox」を使ってみたレビュー:ストレージ搭載オーディオ特集(2/3 ページ)

» 2005年05月31日 16時31分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 PC側で「BiBio JukeBox」(デフォルトのホスト名はJukeBox)の共有フォルダを開くと、“T000”〜“T900”という連番のフォルダが置かれている。さらに、この下にF層、S層と呼ばれるサブディレクトリが存在し、たとえば、“T000”の中には“F000”〜“F090”、“F000”の中には“S000”〜“S009”がある。つまり、最下層には“S000”〜“S999”という合計1000個のフォルダが置かれているわけだ。これらのフォルダに関しては、名称変更は可能だが、階層や構造自体はそのままにしておく必要がある。

 この製品では、内蔵HDDから音楽を聴く際に、番号表示か、名称表示で再生対象を選べる。デフォルトでは番号表示の“000”〜“999”が、名称表示の“S000”〜“S999”に対応。番号表示であれば、リモコンのテンキーで直接呼び出しができるし、名称表示では本体前面のディスプレイの表示を見ながら、上下キーで目的のタイトル名を探していける。

 「BiBio JukeBox」自体で録音を行う場合には、特に録音モードというものはなく、再生と同じ「HDD」モードのまま、保存先にしたいフォルダを選択し、RECボタンを押せばいい。シンクロ録音も可能だ。録音ビットレートや曲間検出の方法は、あらかじめ「EDIT」モードで設定しておく。

 録音品質に関しては十分に使えるレベルだと感じたが、デフォルト設定の128Kbpsでは不満かもしれない。録音ビットレートは16/32/64/96/128/160/192/256/320Kbpsから選べるので、より高いビットレートに変更すればいい。また、サンプリング周波数は11/16/22.05KHzも選択できるが、44.1KHzのままにしておくべきだろう。

 デジタル音声入力経由の録音では、MDでの録音などと同様に、CD自体のトラック情報を検出してのファイル分割が可能だ。これには曲間検出を「トラック信号を検出する」に設定しておくのだが、そうするとさらに「ギャップ情報の設定」というメニューが表示される。これは曲間の無音部分の扱いを決めるもので、「標準モード」「前TRACKに付加」「現TRACKに録音」のほか、「録音しない」も選べる。

 ただ、「BiBio JukeBox」ではどのみち再生時に2秒近く曲間が空いてしまうので、「録音しない」を選んでもギャップレスとなるわけではない。また、説明書では「標準モード」がライブ演奏などの録音に適しているとされている。これは要するに、CD上でトラックが別々でも、間に無音部分がない場合は区切らず、自動的に1つのファイルにまとめて記録してしまうモードだ。

 アナログ録音では、当然ながら無音部分の検出による自動分割しかできないが、検出時間の設定は可能(0.1〜3.2秒で0.1秒単位)。無音時間検出での分割ではどうしてもうまくいかないなら、まずは「検出しない」設定で1ファイルとして録音し、EDITモードの「データを分割する」を使うという手もある。

 ちなみに、デジタル録音したファイルは暗号化されるため、そのままPCへコピーしても再生はできない。また、デジタル音声出力経由で、ほかのオーディオ機器へ録音させることも不可。MDと同様の、SCMS(シリアルコピーマネジメントシステム)というものだ。

 ヤマハ「CDR-HD1500」のように非圧縮リニアPCMのデジタル録音を行うならしかたないと思うが、MP3圧縮をかけたファイルにSCMS適用が必要なのかどうかは疑問だ(MDも圧縮音声なのにかかっているので、まあしょうがないのかもしれない)。また、USBストレージ(携帯音楽プレーヤーも含む)へのコピーは可能で、その場合は“暗号を解除して移動”という扱いとなる。

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