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レビュー特集:ビジネスで使えるICレコーダー(1/2 ページ)

» 2005年06月01日 01時54分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 半導体メモリに録音するICレコーダーは、従来のテープやMDレコーダーにはないメリットがいくつもある。たとえばテープと違い「頭出し」などの面倒な操作が不要。連続録音時間は長く、誤って以前の録音に上書きする心配もない。さらに録音したファイルは日付や時間をもとに判別でき、PCと連携してバックアップや書き起こし作業を効率良く行える……。

 しかし、いざ製品を選ぶとなると、なかなか難しいものだ。家電量販店のICレコーダー売り場でも、ビジネスマンやOLが店員に熱心に質問している姿が目につく。そこで今回の特集では、最近のトレンドでもある“PC連携”と“ステレオ録音”を前提として、各社の新製品を見てきた。

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汎用性で選ぶか?

 レビューでもたびたび触れたが、現在のICレコーダーは、録音するファイル形式によって大きく2つに分類できる。MP3/WMAといった汎用的なフォーマットを使うものと、専用フォーマットを使用しているものだ。

 たとえば三洋電機は、MP3フォーマットやPCへの直接接続といったフィーチャーで人気を集めている。MP3の良いところは、まずPC用のプレーヤーが普及していること。録音ファイルを他人に渡すとき、専用データ形式では再生できるとは限らないが、WAVに変換してもメールに添付するには大きすぎる。その点、MP3なら再生環境の心配はいらない。今回取り上げた「ICR-S250RM」は、可動式のUSBコネクタや録音時に台座になるUSB端子用キャップなど、細かい使い勝手も配慮されており、かなり“洗練”された印象だ。

 オリンパスイメージングの「V-20」は、三洋と同じ利便性を目指しながら、より新しいWMAを採用している。コーデックが新しいから圧縮効率の面で有利なのは当然だが、ICレコーダーの場合、それを“音質”と“録音時間の延長”の両方に使えるメリットがある。つまり、同じデータ量なら音質面で有利に、同じ音質なら録音時間が長くなるというわけだ。これまでの製品にないスタイリッシュな外観も手伝い、1万円台半ばという実売価格は“お買い得感”が高い。

 また、汎用フォーマットを採用した製品は、音楽を聴く場合にも便利だ。三洋とオリンパスの製品は、どちらもストレージクラスに対応しているため、音楽の転送も簡単。ドラッグ&ドロップで普段聞いている楽曲ファイルを転送するだけでいい。

 USBメモリと同じように、PCデータを入れて気軽に持ち歩くこともできる。専用フォーマットを使用する製品でも可能だが、いちいち専用ソフトを起動しなければならないのは少し面倒だ。ドラッグ&ドロップでファイルを出し入れできるのは、今のところ汎用フォーマットを採用した製品だけだ。

 逆に汎用フォーマットのデメリットを挙げるなら、やはり再生ソフトが充実していないことだろう。MP3ならフリーウェアやシェアウェアでカバーできる面もあるが、WMAの場合はまだ見あたらない。

専門性で選ぶか?

松下電器産業

一味違うPC連携――松下のICレコーダー「RR-US050」

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「RR-US050」は、松下電器産業のICレコーダー最新モデル。独自フォーマットで長時間録音を実現し、簡単管理&快適再生が可能なPC用ソフトが付属するなど、WMAやMP3などの汎用フォーマットを採用したICレコーダーとは、ひと味違った利便性を実現する。


ソニー

真面目に考えた“カメラ付き”――ソニー「ICD-CX50」

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ソニーマーケティングが発売した「ICD-CX50」は、デジカメを搭載した“ビジュアルICレコーダー”だ。録音中に撮影すると、画像がブックマークになるというユニークな機能がある。


三洋電機

ヒネリの効くUSB端子搭載――三洋「ICR-S250RM」

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三洋電機が2002年秋に発売した「ICR-B80RM」は、ボイスレコーダーで初めてMP3を採用し、PCのUSBポートに直接接続できるインタフェースを持つエポックメイキングな製品だった。その直系といえる「ICR-S250RM」は、どのように進化しているのだろうか?


ソニー

3つの耳を持つ多機能ICレコーダー、ソニー「ICD-MX50」

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ソニーマーケティングが2月末に発売したICレコーダー「ICD-MX50」は、3つのマイクを搭載した多機能モデルだ。「メモリースティック デュオ」によるメモリ容量アップも可能で、機能性と拡張性を両立させた。


オリンパス

フットワークが軽くなるICレコーダー、オリンパス「Voice-Trek V-20」

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オリンパスイメージングが3月18日に発売した「Voice-Trek V-20」は、同社として初めて“USB直挿し”に対応したステレオICレコーダーだ。「いつでも、どこでも、手軽に」をコンセプトにパソコンとの連携を強化しており、WMAを採用しているのもポイントだ。さっそく試用してみた。(編集部注:右表の平均価格が誤って表示されています。正しくは1万3192円です)


三洋電機

ICレコーダーで“音楽再生&FMエアチェック”――三洋「ICR-RS175M」

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三洋電機のICレコーダー「ICR-RS175M」は、ステレオ録音対応のICレコーダー機能のほか音楽ファイル再生/FMラジオ/USBメモリーなど多機能ぶりが光る1台だ。高性能なICレコーダーと“使える”音楽プレーヤーは両立できるのか、レビューを通じて探ってみた。


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