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SDカードに音楽をためられるミニコンポ――松下「SC-PM710SD」レビュー:ストレージ搭載オーディオ特集(4/4 ページ)

» 2005年07月04日 14時00分 公開
[浅井研二,ITmedia]
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 最後に再生に触れておこう。LPモードで録音したものに関しては、音域が狭くなり、分離感もかなり損なわれてしまうが、CDを直接聴いたり、XPモードで録音した音楽を聴くかぎりは、まあまあ満足のいく音響を鳴らしてくれる。ただ、高音が若干歪むのと、全体に音がやや薄く、広がりにも欠ける感じは受けた。

 SDは自己録音したものだけではなく、AACのほか、MP3やWMAファイルも再生可能だが、SD-AUDIO形式で記録されたものに限られる。つまり、単にカードへファイルを転送しても受け付けてくれない。ちなみに、本機でSDへ録音した音楽は、通常のCDと同じようにギャップレスで再生してくれた。

 一方、CD-R/RWに関しては、単に音楽ファイルを再生するだけなら、別にHighMATにする必要はない。ISO9660(Level1および2)フォーマット記録されたCD-R/RWへ、単にMP3/WMAファイルを入れてやれば、再生できる。IDタグには対応していないようだが、ルートに置かれたフォルダをアルバム名として認識するので、アルバムごとにフォルダ分けしてやればいい。また、ファイル名がトラック名として表示される(もちろん、漢字とひらがなは不可)。

photo CD、MD、SDの再生では、各種リスト表示で曲を探せる。たとえば、HighMATディスクでは作成時に記録されたCD情報を利用して、アルバム名、アーティスト名、ジャンルでのブラウズが可能だ

 この製品であれば、HighMATディスクのほうが操作もしやすそうなのだが、実はそうでもない。CDを挿入して、そのまま何も考えずにPLAYボタンを押すと、記録されたファイルがファイル名順(フォルダごと)に再生される。上記のような、単にアルバムごとにフォルダ分けしたMP3/WMAであれば、そのままフォルダ名の順番でアルバム単位で再生していけるわけだ。

 一方、HighMATのプレイリストを利用するには、再生停止の状態で「LIST/ENTER」ボタンを押す必要がある。しかも、通常、Windows Media Playerで作成したHighMATディスクは、直接ルートに音楽ファイルが置かれている。つまり、単にPLAYボタンを押すと、各アルバムの1曲目(ファイル名の先頭に曲番号が付加されるため)が次々に再生されてしまうというわけだ。

 全体に、完全なる非PCユーザーでも利用できるよう工夫はされているのだが、やはり無理のある部分も見受けられる。個人的には、こうした製品のターゲットとなるのは、PCを持たない人ではなく、“音楽再生にはPCを使いたくない”人ではないかと思う。そして、単に聴くだけではなく、快適に音楽を扱うためには、ソニー「NAS-A10」のように(CDDB取得のための)ネットワーク対応は、もはや避けて通れないのかもしれない。

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