カラー液晶を搭載したFシリーズから、gigabeatにはJPEG/BMPの画像が表示可能なフォトビューワ機能を搭載しているが(関連記事)、本製品ではEXIF情報による日付管理機能が搭載され、スライドショーにワイプやボックスイン、フェードなどの視覚効果を追加することが可能になった。
画像を転送するにもgigabeat roomを使用する。画面左上の「フォト」タブをクリックするとPC内部のファイルを参照するモードに切り替わるので、転送したいファイルにチェックを入れ、転送ボタンを押せばよい。転送後に本製品の「トップ画面」から「フォト」を選択すると、転送したファイルが撮影日順にソートされて収録されていることが分かる。
フォトビューワ画面では日付単位で3×4コマのサムネイル表示が行えるほか、プラスタッチの左右でファイルの送り/戻し、上下で画面の回転も行える。取り込んだ画像は本製品の壁紙としても利用できるほか、お気に入りの画像だけを選択してプレイリストを作成し、スライドショーで表示することもできる。
音楽と同様に特定のフォルダを指定しておくことで同期を取ることも可能となっており(標準設定では「マイドキュメント」の「マイピクチャ」)、デジカメで撮影した画像のバックアップマシンとして本製品を利用することも可能だ。また、別売のUSBクレードルを利用すれば、デジカメから直接データを吸い上げることも可能だ。デジカメからの画像データ移行は「バックアップ」という扱いになり、転送した日付のフォルダが本製品内に作成される。
クレードルを利用すれば有線/無線LANを利用してネットワークに接続することも可能だ。ネットワーク越しに存在するPCと音楽/画像データの同期をとることはもちろん、ネットワークドライブとしても認識されるので、小型のNASとして利用することも可能だ。
ネットワーク接続ではクレードルの「同期」「RipRec」ボタンが利用できなくなり、Windows DRMで保護されたコンテンツの転送も行えないが、使い勝手としてはUBSで接続している際と変わらない。ただ、クレードルがUSB 1.1対応にとどまっているほか、Ethernet端子/アクセスポイント機能を内蔵していないので、別途USB-LANアダプターを購入する必要がある。これらはシリーズ製品として初めてLANに対応した「gigabeat G21」の際にも指摘されていた点であり、改善されていないのは残念だ。
HDD搭載プレーヤーとして独自の進化を遂げてきたgigabeatシリーズ。本製品は液晶をサイズアップしながらもボディは大幅な小型化を果たしており、より魅力ある製品として仕上がっている。プラスタッチによる操作インタフェースも、液晶画面が大型化したことによって、より使い勝手を高めている。
同社ではHDDを自社生産しているというメリットを生かすため、HDDを搭載した各種製品に「gigastyle」というブランドを冠している。本製品もHDDレコーダーの「RDシリーズ」、カムコーダーの「gigabeat」と並ぶ「gigastyle」の戦略製品と位置付けられている。
現在では本製品とRDシリーズやgigashotを連携させるアプリケーション(ソフトウェア)は用意されておらず、既存のHDDポータブルオーディオの域を脱していないが、同社は家電ネットワークの構築に積極的であり、gigabeatも将来的にはそのネットワークに組み込まれることが予想される。
ポータブオーディオとして完成度を高めながら、来るべき家電ネットワークでの利用も視野に入れた新gigabeat。大型液晶の美麗さや本体の仕上がりに魅力を感じたユーザーはもちろん、家庭内ネットワークの一端にポータブルオーディオを加えたいユーザーにもアピールする製品といえそうだ。
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