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シンプル操作が身上の“デジタル2番組同時録画機”――シャープ「DV-ARW25」レビュー(2/3 ページ)

» 2006年06月12日 19時25分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 もちろん「裏録」を積極的に活用することもできる。通常のEPGからの予約でも「録画先」として「裏録」を選択できるし、「メインメニュー」→「予約」から「裏録予約」でEPGを呼び出せば、EPGから「裏録」でどんどん録画予約できる。たとえば連続ドラマなど定期的に繰り返し録画する番組は全て「裏録」するようにしておき、単発の録画予約は1つめの録画ユニットで、といった使い分けができる。

 また、裏録は本製品のチューナーを使ったテレビ視聴にも影響を与えないから、デジタル放送視聴のチューナー代わりに使う、といった場合にも「裏録」の使い分けは便利だ。たとえば家族で利用している場合、お父さんは常に「裏録」で録画予約しておくと、予約録画を家族に誤って中止されてしまうといったトラブルを防ぎやすい。

photo 録画予約の設定画面の中では「裏録」はHDDやDVDと同列に「録画先」として扱われる。したがって通常のEPG画面からの予約でも「裏録」で録画予約をすることも可能だ
photo 予約メニューにはデジタル放送の「裏録予約」用に3つのメニューが並ぶ。ここからEPGを呼び出して録画予約を行うと、「録画先」をいちいち「裏録」に変更しなくても「裏録予約」が行える仕組みだ

 当然、割りきった仕様にはデメリットもある。たとえば1つ目の録画ユニットで録画している間は、録画チャンネル以外を視聴できない。たとえ2つ目のデジタルチューナーが使われていなくても(裏録中でなくても)だ。したがって、デジタルチューナーレスのテレビと組み合わせ、デジタル放送視聴用のチューナー代わりに使いたいという場合には、積極的に「裏録」を録画予約に利用しないと不便を感じることがあるだろう。またアナログ地上波は「裏録」はできないから、アナログ地上波の録画中はデジタル放送を本機のチューナーで視聴できない。

付加機能は控えめだが、クイックでシンプルな操作性は魅力

 そのほかの付加機能は控えめだ。地上アナログ放送でもスポーツ中継や連ドラ最終回の放送時間拡大などに対応する録画時間延長機能などはしっかり抑えているが、トレンドになりつつある自動チャプター機能やハイライト再生、キーワードやジャンル指定による自動録画機能や、メモリカードなどを利用した積極的な外部連携機能などは一切持たない。良くも悪くもプレーンなDVDレコーダーで、目立つ付加機能としては選択中のチャンネルを一定時間常時録画して置くことで、番組を遡って視聴できるタイムシフト再生くらいだろう。そのぶん、操作や設定で難解な部分は少ない。

photo メインメニューも同社のシングルチューナー製品とほとんど同じ。付加機能が少ないぶん、シンプルだ

 レスポンスもいい。各種一覧やEPG表示への移行もすばやいし、スクロールもストレスを感じるレベルではない。録画済み番組の一覧も“サムネイル付き”と“リスト形式”が選択可能で、リスト形式なら表示もすばやい。現行の「スゴ録」のような俊敏という動作ではないが、リモコン操作にストレスなく画面描画が追従する。とりあえずハイビジョン非対応のレコーダーから買い換えても動作にストレスを感じることは少なそうだ。

photo 地上アナログ放送のEPGは従来機器からの流用という感じで、情報量はあまり豊富ではない
photo デジタル放送のEPGはHD表示も可能だが、SD表示でも最大9チャンネル/3時間表示と情報量重視だ。放送中の番組を選択するとそんまま視聴(チャンネル切替)に移行するので、デジタルチューナーレスのテレビとの組み合わせるときは便利
photo デジタル放送のEPGは1125i出力(D端子/HDMI端子接続時)時のみHD表示が可能。最大15チャンネル/6時間表示と、極めて一覧性が高い。ただし今度はフォントサイズが小さすぎ、37インチ液晶テレビでも2メートルも離れると文字が良く認識できなかった。より大きなテレビと組み合わせると便利そうだが、今度はアナログ放送EPGとのアンバランスが気になるかも

 録画済み番組一覧は、グループ化して一覧することも可能だ。フォルダという概念ではなく、録画番組に最大6つのグループ属性を付加して分類するスタイルだが、全番組一覧と使い分けられる点は便利だ。リモコンからも「録画リスト」「グループ」と一覧を使い分けられるので、家族などで利用する場合には機能を理解している人だけグループ一覧を使えばいい。

photo 録画番組一覧は動画サムネイル付きとリスト形式が選択可能
photo リスト形式でも1画面7番組と一覧性は大きく向上しないが、スクロールなどの動作は素早い

 録画番組毎のレジューム再生もサポートする。本機では「続き再生」と呼び、録画番組リストからは番組を選んで決定ボタンを押せば前回再生停止位置から再生が始まる。機能ボタンを使えば強制的に先頭から再生することも可能だが、ここに関しては再生開始前に確認画面が入っても良いのではないかと思った。「決定」ボタンで「続き再生」にしておけば、操作がストレスになることもないと思う。なお直前に再生を停止した番組は、テレビ視聴画面から再生ボタンを押すだけで「続き再生」を行える。

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