ダビング機能で特徴的な部分は3点。録画番組一覧からダビングする番組を選択する際、並べ替え機能やグループ機能が使えること。「ダビング予約」機能により、ダビング開始時間を指定して実行できること。そして「裏録」と並行して、ほぼ制限なくダビング機能を利用できることだ。一方、通常録画(1つ目の録画ユニットでの録画)の場合は、ダビングと並行動作できないため(高速ダビングも不可)、ダビングを頻繁に行う人は「裏録」を積極的に利用したい。また、ダビング予約した場合はファイナライズまで一気に行えるため、寝る前にダビング予約しておけば、朝起きてすぐにDVDメディアを持ち出せる。
編集機能は、チャプターベース。複数番組のチャプターを組み合わせたプレイリストの作成も可能で、プレイリストのダビングも行える。また、範囲指定しての部分カットも可能だ。フレーム単位での指定も可能だが、TS録画した番組では再生→一時停止といった操作に対するレスポンスが今ひとつで、狙ったフレームを指定するのにはちょっと苦労させられた。なお、デジタル放送の録画番組(正確にはムーブ対象となる録画番組)を含むプレイリストはダビングできない点に注意がいる。
ダビング速度は一世代前のスペックといえる。DVD-Rは最大8倍速、DVD-RWが最大4倍速、DVD-R DLは最大4倍速(PC表記)。もっともDVD-Rに関しては8倍速を超えるダビング速度では動作音の問題もあるし、ダビングに要する時間もリニアには短縮されないといったこともあり、あまり気にする必要はないだろう。ダビング予約機能を利用して就寝中などにダビングを行うことを考慮してか、高速ダビング時でもダビング速度を最大約65倍速/16倍速の切り替えが可能になっている。16倍速を選べば、音はかなり抑えられる。
ダビング速度と品質のチェックは高速ダビングを利用して行った。ダビング速度は表のようになりほぼスペック通りの結果で、ファイナライズに要する時間が少々長めと思われる程度だ。品質に関しては極めて優秀といえる結果で、激安メディアの1つであるSmartBuyブランドのDVD-Rでもまったく問題はない。
デジタル放送の2番組同時録画機能を備え、一般的には多機能モデルに位置づけられる同機だが、付加機能は控えめで操作性はシンプル。実際には、デジタル放送の2番組同時録画「も」できるベーシックモデルという感が強い。もちろん、画質や音質といった面で手抜きがある訳ではなく、あくまで普通にデジタル放送を高画質で録画・再生したい、家族で使いたいといったユーザー層を狙った製品だろう。現在デジタル放送の2番組同時録画機能を備える製品としては日立の「Wooo」、東芝の「VARDIA」が登場しているが、本製品が操作は一番シンプルだと感じた。もちろん既に触れたようにトレードオフも多いわけだが……。
また、ヘルプ機能を備えるなどDVDレコーダーに不慣れな層への配慮も多い。知識のある人は煩わしいと感じるかもしれないが、家族も使うとなれば話は別だろう。このほか、「1秒起動」や全般に良好なレスポンスなど、DVDレコーダーとしての基本はしっかりしていると感じた。デジタル放送のEPGを除いてGUIがSD解像度である点など、まだまだハイビジョンレコーダーとして積み残している部分もあるとは思うが、「まずは使い勝手をそのままに……」というスタンスは納得できる。
全体に見ればDVDレコーダーとしての機能はあくまでベーシックであり、EPGでこまめに録画予約を行うことが苦にならない、家族も使うので操作がわかりやすい製品がいい、といった人向きの製品だ。ただし「裏録」と位置付けた2番組同時録画機能は活用次第で競合製品より便利と思える部分もあるし、「裏録」と並行作業できるダビング機能に魅力に感じる人もいるだろう。競合製品にはない個性を持っているのも事実であり、デジタル放送対応DVDレコーダーとして、選択肢から外せない製品といえる。
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