このISO感度コントロールにFX30の特徴があるといっていいだろう。
通常の撮影モードでISO感度をオートにすると最高でISO200までしか上がらず、ISO400以上を使いたいときは、マニュアルでセットする必要があった。これは一般的なユーザーに分かりづらい。
多くのメーカーは通常よりISO感度を高くあげられるモードを別途用意して対処してきたが、パナソニックはそのかわりに「インテリジェントISO感度モード」を設けたのである。
インテリジェントISO感度モードは、シャッターを切った瞬間に被写体が動いているかどうかを判別して(動き認識)、撮影ISO感度を決めるという機能。動いてなければ感度を低めにおさえ(その分画質は落ちない)、動いていれば感度を上げて被写体ブレを防ぐという仕組みだ。
このとき、動いてないと判断されると平気で1/8秒でISO200なんていう露出になる。そして動いていると判断されると、ISO800やISO1250という高感度になるのである。
実際にどの感度(=どのシャッタースピード)になるか撮ってみなければ分からないのがミソ。そこでゼンマイ仕掛けのオモチャで試してみた。
カメラを三脚に固定した上で、どちらもインテリジェントISO感度モードで撮影。静止時はISO200で1/5秒(いくらなんでももうちょっと上げた方がいい気がするが)、動作時はISO800で1/25秒となった。
インテリジェントISO感度モード時は最高感度を、400/800/1250のどれにするかユーザーがセットできる。上記の例は最高感度800で撮影してある。
ちなみに、補正できないくらい手がブレてるときは、画面全体がブレるわけで、そう認識されると感度も上がる。
よって、このモードを常時利用モードにしてもいいくらいだ。このモードだとシームレスにマクロ域までピントがあうので、そういう意味でも非常に便利だ。高感度時のノイズが気になる人は、最高ISO感度を抑えめにすれば問題なかろう。
ただ過信は禁物。ときどき、シャッタースピードの遅さによる手ブレや(さすがに1/8秒ではブレることもある)、被写体が動いていると認識してくれず被写体ブレをおこしたこともあった。
いろいろ撮り比べた結果、松下的にはISO200までは画質が落ちないけれども、ISO400以上では劣化すると考えているようだ。よほど自社の光学式手ブレ補正に自信があるのか増感時の絵に自信がないのか、ISO200までは素直に感度が上がるのに、その先はぎりぎりまで感度を上げないのである。
確かに、増感時の画質は、1年以上前のLUMIXに比べるとかなりいいが、ISO400を越えるとノイズ低減処理のためかディテールの描写力が落ちていくのが分かる。
撮影モードにはほかにも21種類のシーンモードも用意されている。ここにある高感度モードを使えばISO3200という高感度での撮影も可能だ。ただし、ISO3200だと強いノイズ低減処理がかかるせいで、ディテールがかなり潰れた不自然な絵になる。いざというときのモードだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR