今回は、HD DVD関連の機能とレコーダーとしての機能を切り分けて検証を行ったが、個人的にはHD DVDドライブを搭載した点より、ビデオレコーダーとしての完成度の高さの方が印象に残った。全てではないが、従来のRDシリーズで不満に感じていた点がかなり改善され、競合製品に見劣りしていた部分の改善も著しい。それはリモコンにもいえることで、レイアウトとボタンのメリハリの改善、番組表ボタンの追加といった形で現れている。
もちろん、多機能な点は相変わらず。従来から対応していたDLNAサーバー機能はようやくDTCP-IP対応となり、対応クライアントであれば録画したデジタル放送もLAN経由で視聴できるようになった。同社の液晶テレビ「REGZA」の一部がDTCP-IP対応のDLNAクライアント機能を装備したからかもしれないが、REGZA以外にもソニーやビクターの一部製品(テレビ)も対応済み。単にハイビジョンで録画してハイビジョンでディスクメディアに残すことが目的の人には不要な機能も多いと思うが、とにかくビデオレコーダーとしての完成度は高くなった。
HD DVD関連に関しては、前編で触れたとおり、Blu-rayに対する容量というマイナス面は否定できないが、これはメディアの価格推移次第である程度カバーできると思う。メディア価格に関しては量産効果の影響が大きいが、本機と姉妹機の「RD-A300」の登場でHD DVD-R/HD DVD-R DLの消費量が増えれば、値ごろ感という点で対抗できるようになるのではないだろうか。もちろんRD-A600/A300が売れれば、という仮定の話であるが……。
不満を挙げるとすれば2点。時期的には搭載されるはずだったH.264エンコーダが搭載されなかったこと。そして「ビエラリンク」や「AQUOSファミリンク」のようなテレビ連携機能がない点だ。前者に関しては画質劣化がゼロにはならないだろうが、出来次第ではHD DVDの容量問題を無視できるレベルにしてくれるかもしれない。後者に関しては、筆者自身はあまり必要性を感じないのだが、たとえばリビングに置いて家族も使うとなれば需要は大きいはず。同社の場合、「REGZA」に録画モデルが存在するという問題もあるかもしれないが、そんなことを言っていたら売れるものも売れなくなってしまう。
地上デジタル放送に関しては、COG(コピーワンス)の見直しが具体的に始まるなど、ハイビジョンレコーダーを購入するには正直悩む時期だ。どんなに製品が良くても「今は絶対買わない」という人も多いことだろう。筆者自身も気持ち的にはそれに近く、本機は実に間の悪いタイミングで登場したものだと思う。ただ、それでもHD DVDドライブを搭載し、ビデオレコーダーとしての本質部分がきちんと進化した製品として、購入欲をそそられるのは確か。単に出来の良いハイビジョンレコーダーとして購入してもいい――そんな気分にさせる、東芝気合の逸品である。
東芝の“勝負機”「RD-A600」を検証する(前編)
東芝からHD DVDドライブを搭載したハイビジョンレコーダー「RD-A600」が登場した。孤高のハイエンドモデル「RD-A1」と異なり、幅広いユーザー層に向けた「VARDIA」ブランドの次世代DVDドライブ搭載機だ。今回は前後編にわけて詳しく検証していこう。
HD DVD搭載の新“VARDIA”登場
東芝は、HD DVDドライブを搭載した“VARDIA”シリーズ2製品を6月末に発売する。HD DVD機として初の「ハイビジョンW録」のほか、RD-A1と同じアンカーベイ製の1080pアップコンバータを搭載。さらにi.LinkのTS入力もサポートした。
次世代DVDが起爆しない5つの理由
鳴り物入りで登場した感のあるBlu-ray Disc/HD DVDの次世代DVDだが、市場を見渡してみるとお世辞にも普及したとは言えない状況だ。その理由について考えてみた。
次世代DVDレコーダー、4割が“興味あり”
みずほ情報総研とネットマイルが実施した「デジタル家電に関する1万人アンケート」で、「次世代DVDに対する消費者の意識」が調査された。全体の約4割が次世代DVDレコーダーに「興味がある」という。
東芝、57V型を含む「REGZA」北米モデルを発表
東芝アメリカは1月7日(現地時間)、「Internaional CES 2007」のプレスカンファレンスで、HD DVDプレーヤーおよび薄型テレビ「REGZA」の新製品を発表した。
東芝、5万円を切るHD DVDプレーヤーなど2機種を投入
東芝がHD DVDプレーヤーの第2世代機として「HD-XA2」および「HD-XF2」の2機種を12月下旬に投入する。普及タイプのHD-XF2は店頭で5万円を切る見込みだ。
東芝、初のHD DVDレコーダー「RD-A1」発表
東芝は6月22日、初のHD DVDレコーダー「RD-A1」を発表した。価格は39万8000円。7月14日に発売する予定だ。あわせて、三菱化学メディアと日立マクセルからHD DVD-Rメディアが発売されることも明らかにされた。
HD DVDレコーダーの「7月発売」に秘められた戦略
HD DVDレコーダー「RD-A1」が登場した。超ハイエンド指向の製品でもあり、“東芝の夢が詰まっている”とも表現されるが、その登場はからは次世代DVD競争の覇権を狙うHD DVD陣営の戦略が見え隠れするように思える。
東芝 藤井氏、「BD 5つのメリット」に反論
東芝がHD DVDプレーヤー「HD-XA1」を発売した。本製品の詳細を確認するとともに、東芝の描く「HD DVD普及のシナリオ」がどのようなものであるか見てみよう。
アナ・アナ「W録」も可能なデジタル放送世代の新ハイエンド「RD-X6」
RDシリーズの事実上の新ハイエンドモデル「RD-X6」が登場した。「RD-X5」の備えていたアナログ放送の「W録」機能はそのままに、デジタル放送対応を果たしたのが特徴。「デジ・アナ」同時録画だけでなく「アナ・アナ」同時録画も可能だ。
RDシリーズのデジタル放送対応スタンダード「RD-XD91」を試す
東芝からデジタルチューナーを搭載した「RD-XD91」が登場した。デジタル放送時代におけるRDシリーズのスタンダードという位置付けで、デジ・アナ同時録画可能な「W録」やスカパー!連動機能を備える強力な録画機能が魅力だ。
全てが新しい〜東芝の新フラグシップ「RD-Z1」登場
東芝のDVDレコーダー「RDシリーズ」の新しいフラグシップモデルとなる「RD-Z1」が登場した。デジタル3波対応チューナーを搭載し、シリーズ初となるハイビジョン録画をサポート。シャーシデザインも一新した。
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