純粋なオーディオ機器かどうかの議論を別とすれば、2007年もっとも話題となったポータブルオーディオは「iPod touch」だろう。通話機能以外の機能はほぼ同じ「iPhone」が日本未発売ということも飢餓感を煽ったのか、発売前から話題沸騰、店頭に並ぶとネットで噂が流れた直後のアップルストア銀座店には100人を超える行列ができたほど。アルバムカバーをパラパラめくる表示効果「Cover Flow」や、任意のアプリケーションを動かせてしまうPC的柔軟性など、ポータブルオーディオの進化の方向性を感じさせるエポックメイキングな機種だといえる。
斬新さでいえば、ソニーの「Rolly」(SEP-10B)がダントツだ。音楽にあわせて踊ることが特徴だが、ただ音の高低/強弱でパーツを振動させるような単純なものではなく、付属の「Motion Editor」を利用すると踊りを自在にプログラムできるなど、高いカスタマイズ性を備える。なぜか店頭では目立たないが、踊る様子は一見の価値アリだ。
2006年4月のサービス開始以降、携帯電話やPCを中心に対応機器を増やしてきたワンセグ放送。その波はポータブルオーディオの分野に到来、今年はついにウォークマンシリーズの旗艦機「NW-A910」にも採用された。携帯のバッテリ消費を控えたい層は少なくないはずで、今後も国内向けポータブルオーディオの1つのトレンドになりそうだ。
ウォークマンといえば、SONY EUROPEが7月に発表した「NWD-B100」も要チェック。ソニー伝統のATRACをサポートせず、しかも転送ソフトのSonicStageは不要、USBメモリとしてPCに接続して楽曲データをコピー、という割り切った仕様だ。日本国内での発売予定はなく、国内向けモデルは相変わらずSonicStageに縛られているが、Rollyほどの実験的精神に溢れたデバイスを発売してしまったソニーのこと、突然日本でも……という可能性はある。2008年に期待しよう。
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