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» 2008年03月28日 13時47分 UPDATE

“逆YouTube”の携帯端末向け「IP over デジタル放送」、福岡で実験開始

デジタルラジオの3セグメント放送をフル活用する実験が4月から福岡で行われる。放送波でIP伝送を行う「IP over デジタル放送」は、ネット上のコンテンツを放送波で配信するいわば“逆YouTube”も可能にする。

[ITmedia]

 マルチメディア放送ビジネスフォーラムは3月28日、4月より福岡市のユビキタス特区で実施する携帯端末向けマルチメディア放送実験の概要を公開した。なお、4月は免許申請の正式受理が予定されているのみで、実験放送のフルパワー送信開始は9月末の見込み。

 本フォーラムはデジタル放送の3セグメント放送について各種検討を行う団体で、昨年8月まではデジタルラジオニュービジネスフォーラムをその名称としていた。加盟企業はエフエム東京、KDDI、クアルコムジャパン、シャープ、松下電器産業など62社(2007年7月時点)。

photo 放送波ダウンロード課金システムの概要。コンテンツを暗号化して配信し、「鍵」を購入することで視聴/利用可能とする。鍵の購入については携帯キャリア代行のほか、プリペイド、クレジットの決済も行える

 福岡にて実験放送が行われるのはデジタルラジオの3セグメント放送(ISDB-Tsbの3セグメント方式)を用いた携帯端末向けマルチメディア放送で、デジタル放送波を利用してIP伝送を行う「IP over デジタル放送」や、暗号化したコンテンツを放送波で送信し、鍵を通信経由で販売する「放送波ダウンロードコンテンツ課金」などを実施し、制度/ビジネス/技術各方面について検証を行う。

 現在は東京と大阪で行われているデジタルラジオ3セグメント放送を進歩させた内容となっており、ビジネス/技術面の検証はもとより、制度面の検証も同時に行うことで、2011年の施行を目標に作業が進められている情報通信法(仮称)までも視野に入れた内容といえる。「“フルバージョン”のマルチメディア放送。東京大阪でこれまで行ってきた3セグ放送をバージョンアップさせた内容」(エフエム東京 デジタルラジオ事業本部 藤勝之氏)

 技術面で注目されるのが、IP over デジタル放送の実験だ。放送自体をIP化することで同報性・同期性という放送波のメリットと、双方向性というインターネットのメリットを融合させることが可能となるほか、インターネットの上のコンテンツ/アプリケーションを少ない手間で放送波で再配信することも可能となる。

photophotophoto 「IP over デジタル放送」の概要とサービス例

 「放送されたコンテンツがネットへ流れる事態が起こっているが、IP over デジタル放送を利用すればその逆ができる。いわば“逆YouTube”だ」(藤氏)

 放送実験の送信場所は福岡タワーで、使用周波数はVHFの7チャンネル。送信出力は最大180ワット(30ワット×6)。放送実験で送信されるコンテンツは未定だが、実験内容に即したオリジナルコンテンツも放送される見込み。受信については「W61SA」など既存のデジタルラジオ対応携帯電話、ならびにPC用のデジタルラジオ対応USBチューナーで行える。

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