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» 2009年01月09日 14時01分 UPDATE

本田雅一のリアルタイム・アナリシス:“3D”に向けて本格始動するテレビ業界 (1/2)

家庭用“3D”システムの展開に向け、テレビメーカー各社の動きがにわかにあわただしくなってきた。来年から再来年にかけ、有機ELテレビなどとともに、“3D”が各社の大きなテーマとなっていくことは間違いない。

[本田雅一,ITmedia]

 昨年の「CEATEC JAPAN 2008」でパナソニックが3D対応103V型プラズマディスプレイと3D BDプレーヤーの試作モデルを披露したのは記憶に新しい(→パナソニックの“立体シアター”を見てきました)。また、既報の通り、「2009 International CES」においても、同社はCEATECと同様のデモを行い、開幕前日のプレスカンファレンスでは3Dの実写撮影で第一人者といわれるジェームズ・キャメロン監督との協業を進めることなどが発表された(→パナソニック、厚さ8.8ミリの新世代プラズマを披露)。そして、こうした3D映像の家庭向けディスプレイの実現に関連した話題は、他社にも広がっている。

 LG電子、サムスンといった韓国勢も、このCESで3D技術の自社テレビへの投入を表明しており、来年から再来年にかけて“3D”が有機ELテレビなどとともに、各社の大きなテーマとなっていくことは間違いなさそうだ。

photophoto CES展示会場のLG電子ブースでは、写真の60V型プラズマ(アクティブ型)、55V型液晶テレビ(パッシブ型)に加え、2D/3Dデュアル対応プロジェクター(パッシブ型)を含め3種類もの3D対応機をデモンストレーション。同社の3Dに対する関心の高さがうかがえる
photophoto サムスンブースでも液晶テレビに偏光メガネの組み合わせで3D映画とゲームを展示

 パナソニックの発表は、3D対応プラズマテレビ実現に向けて商品の開発を行うだけでなく、ハリウッドに拠点を構えて2009年以降に激増する見込みの3D製作映画のパッケージ販売(Blu-ray Disc化)に向けた標準化活動、パッケージ化ノウハウ、それに3Dの実写撮影にまつわるノウハウの民生用機器へのフィードバックといったトータルの取り組みを訴求するものだった。

photo パナソニックブースの3Dシアターは常時行列ができている

 一方、韓国勢のそれは、やや後手に回っている印象だ。例えばサムスンはすでに欧州で3D対応テレビを発売済みだったが、フレームレートが低くフリッカーが多いことに加え、コンテンツの絶対的な不足もあってビジネスとしては失敗。その経緯もあって、3Dに対してはかなり消極的な姿勢を見せていた。

 それが大きく変化してきたのは、パナソニックが見せた3Dプラズマテレビの品位が高いものだったことと、BD化に向けた標準化作業が活発化してきたことに起因すると思われる。商品化に向けて、1つの山を越えたとの判断だろう。

ソニーの動きが急激に

photo ソニーブース

 そしてここに来て、今まで3Dの映像化に関して、あまり表立った訴求をしてこなかったソニーが、CESで3D関連技術や商品について紹介を始めた(“エコ”で武装した新BRAVIA、米ソニーが発表)。

 ソニーの場合、映画スタジオとその制作サポート事業をグループ内に持つのがパナソニックとの大きな違いだ。このため、すでに3D映像制作のビジネスが本格化している劇場向けに製品やサービスの開発が進められていた。

 例えば3Dコンピュータグラフィックスによる映像制作としては最大手の1社で、ピクサー以外ほとんどのスタジオに向けて映像制作サービスを提供しているソニー・ピクチャー・イメージワークス(SPI)の存在がある。SPIはこれまでに4つのメジャーな3D映画タイトルを制作したほか、現在、公表されているタイトルが2つ、非公開のものも含めるとさらに多くの3Dタイトル制作を進めており、そこでのノウハウをグループ内で共有しているという。

 また、劇場向け4K2K SXRDプロジェクターが3D技術に対応(リアルDやドルビーのシステムに対応)したほか、3D実写映像を撮影するカメラの開発も進められている。その中には1本のレンズでキャプチャーした映像を、カメラ内部で分光してステレオ映像として記録するカメラもあるという。

 このシングルレンズ3Dカメラは、2本のレンズを使う3Dカメラに比べ立体感に関しては控えめな表現になるが、例えば望遠で撮影するスポーツ中継などに向いているという。CESの展示会場では先日日本で開催されたサッカーのクラブ世界選手権で撮影された映像が流れていた。なお、この新型カメラは今年のNABで正式に正式に発表される。

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