ITmedia NEWS >

AVアンプでハイレゾ再生、ソニー「TA-DA5800ES」のすごいコダワリを聞くES型番のハンダあります(1/3 ページ)

» 2012年11月27日 22時04分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 盛り上がりを見せるPCオーディオ市場。手持ちのPCにUSB DACをつなぎ、ハイレゾ音源を楽しんでいる人も多いことだろう。ただ、普段からPCを置いている個室や書斎はともかく、リビングルームでも同じ音源を再生しようと思うと、ネットワークオーディオ再生が気になってくる。


 最近は低価格のネットワークプレーヤーも増えているが、AVアンプのネットワークプレーヤー機能も進化している。一昔前なら「やはり音質では2chアンプにかなわない」といわれたAVアンプだが、今年は大幅にレベルアップ(→関連記事1関連記事2)。時流にのってネットワークオーディオ機能を備えた機種が増えた。他方では音楽配信サイトにマルチチャンネル対応のハイレゾ音源が登場し、手軽にマルチチャンネル環境を構築できるAVアンプは無視できない存在になりつつある。もちろん、映画視聴と同じシステムを使えるのだから、コストパフォーマンスというメリットも見逃せない。

 そうした状況の中で登場したソニーのAVアンプ「TA-DA5800ES」は、最大192kHz/24bitの5.1ch再生(WAV、FLAC)まで対応する専用ネットワーク基板や4ポートハブの搭載など、ネットワークオーディオ向けの機能が充実したモデルだ。また、過去10年以上にわたって2ch再生にもこだわった音作りを続けてきたソニーの新しいフラグシップモデルでもある。本誌でもおなじみ、ソニーの金井隆氏に“ピュアオーディオ視点”の話を聞いた。

「TA-DA5800ES」は、希望小売価格27万3000円で販売中(左)。開発を担当した金井隆氏と渡辺忠敏氏(右)

良い部分には手をつけない

 「TA-DA5800ES」の外観は、従来機「TA-DA5700ES」とあまり変わらない。というより、型番以外は同じだ。カバーを開けても、シャーシやレイアウトまで基本的に共通。内蔵パワーアンプが7chから9chに増えているのだから同じレイアウトにはできないはずだが、金井氏によると「TA-DA5700ESで評価の高かった7chアンプにはあえて手を加えず、2ch分の回路を追加して同等のクオリティーを引き出した」という。7ch分のパワーアンプ部はそのまま残し、その上に2ch分のパワーアンプを追加した構造。完成度の高い部分には無理に手を加えないというのも長年の経験則だろうか。

「TA-DA5800ES」のパワーアンプ部

 一方、大きく変わったのが、独立したUSB DACの基板だろう。先代「TA-DA5700ES」も96kHz/24bit対応のUSB-DAC機能を搭載していたが、TA-DA500ESでは192kHz/24bit(2ch)にスペックアップし、アシンクロナス(非同期)モードが使えるようになった。PCとつなぐだけでUSBオーディオデバイスとして活用できる手軽さはそのまま。Windows向けに専用のASIOドライバーを提供しているほか、WASAPIにも対応する(Mac OSは標準ドライバーでOK)。

背面USB端子(左)。USB DAC基板(USBインタフェースは別基板になっている)。2つの四角いLSIはDSP。パラレルDACは左下のあたり(右)

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.