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シャープ、IGZO採用の4K対応32V型液晶ディスプレイを発売仕事環境を快適に

» 2012年11月28日 12時26分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 シャープは11月28日、4K2K(3840×2160ピクセル)解像度を持つ32V型のIGZO液晶ディスプレイ「PN-K321」を発表した。140ppiという精細さを生かし、映像製作やCADなどの特定用途向けに訴求する。2013年2月15日に発売予定で、価格はオープンプライス。市場想定価格は45万円前後となっている。

シャープの「PN-K321」

 IGZOは、シャープが世界で初めて量産化に成功した酸化物半導体。In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)、O(酸素)で構成され、従来のアモルファスシリコンに比べて電子の移動速度が早い。このため、同じ駆動電力であれば小型化や高精細化が可能。また可視光を透過する薄膜となるため、バックライトの光を抑制して消費電力を下げることができる。「IGZOのにより、さらなる高精細化、低消費電力化、タッチパネルの高性能化といった性能を実現できる。今回は、これらの特長のうち、1つめの高精細化を実現した製品だ」(同社)。

IGZO技術の特長。電流オフでも一定期間表示を保持できる特性から消費電力を抑えることができるという。今後、こうした性能を持つ製品の登場が予想される

 PN-K321は、専用設計のエッジ型LEDバックライトを採用し、奥行きを約35ミリに抑えた薄型モデル。縦置き/横置きの両方に対応する。「従来比2倍の透過率により、薄型化と低消費電力、スリム化が可能になった。従来の液晶では消費電力が大きく冷却用のファンが必要だったが、PN-K321はファンレス。特定業務用途のほか、公共スペースなどにも違和感なく設置できる」(同社)。

 入力端子には、DisplayPort 1.2とHDMI 1.4aを採用。4K対応のグラフィック性能を持つPCとならケーブル1本で接続できる。なお、HDMIは3840×2160ピクセルの30p、DisplayPort(マルチストリーム)は、60p表示にも対応する。このほか、2ワット+2ワットの内蔵スピーカーやイヤフォン端子を備えた。

 外形寸法は750(幅)×441(高さ)×35(奥行き)ミリで、重量は約7.5キログラム。画面輝度は250カンデラ。消費電力は約120ワットとなっている。

奥行きは約35ミリ。側面に2つのHDMIとDisplayPortを備えている

 「これまで4Kが普及していないのは、専用グラフィックス装置や複雑な配線が必要だったから。しかし、内蔵のグラフィックで4K表示に対応するPCや1本のケーブルで接続できる規格が登場し、4Kディスプレイを取り巻く環境は変化した。仕事のスピードとボリュームに対応する、エコで快適なディスプレイを提供する」(シャープ)。

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