千葉・幕張メッセで10月2日、世界最大級のエレクトロニクス総合展示会「CEATEC JAPAN 2012」が開幕した。展示会場では、大手家電メーカー各社が4Kパネル搭載のテレビやディスプレイを展示するとともに、その応用をアピール。フルハイビジョンを超える解像度のさまざまな可能性を訴求した。
9月27日に4Kテレビ「KD-84X9000」を発表したソニーは、ブース内各所に新製品を展示。3840×2160ピクセルという解像度を生かし、デジタルカメラで撮影した映像をプレイステーション3で高精細表示する「PlayMemories Studio」をはじめ、新たに採用した偏光方式の3D表示などをデモンストレーションしている。あらかじめ4Kにアップコンバートしておけば、縦方向の解像度が半分になってしまう偏光方式でもフルHD以上の解像度が得られるという仕組みだ。さらにその応用として、偏光方向の異なるメガネを2つ使うことで、2人のプレーヤーが同時に別々のフルスクリーン画面を見てゲームをプレイできる「SimulView」を同社として初めて披露した。


4Kパネルとアプコンを利用してフルHD以上の解像度を得る偏光方式の3D表示(左)。偏光方向の異なるメガネ(赤と青)を使い、2人のプレーヤーが同時に別々のフルスクリーン画面を見てゲームをプレイできる「SimulView」東芝も9月27日に第2世代4Kテレビの投入を公表したが、今回の展示ブースは新製品の「Z7/J7シリーズ」とクラウドサービス「TimeOn」が主役だ。4Kテレビの展示は、84V型の試作機と現行の「55XS5」、そして来年発売予定の4K出力対応dynabookが並べられている。

クラウドサービス「TimeOn」(タイムオン)コーナー(左)。スマートがCEATECのテーマだけあり、大手家電メーカーのブースには必ずといっていいほどエコ関係の展示がある。東芝ブースには本田技研工業の小型EVが展示されていた。同社の二次電池「SCiB」が採用されているというソニーや東芝の場合、大きな画面で画素の荒さが目立つことを防ぐために4Kパネルと超解像技術を組み合わせる、いわば4Kによる大画面化のアプローチだ。一方、シャープは60V型の「ICC LED-TV」のシアター展示に加え、IGZO技術を採用した32V型の4Kディスプレイとその応用端末を参考展示している。32V型4Kパネルにタッチパネルを装着したディスプレイは、リビングルームで家族が使う情報端末という位置付けだ。


個人的に興味をひかれたのが、「モスアイパネル」採用の大画面AQUOS。モスアイパネルは、その名の通り“蛾の目”を参考にして開発された表面ガラス技術で、大画面テレビユーザーの天敵ともいえる外光の映り込みを抑えてくれる。展示では60V型や70V型といった大画面AQUOSが展示されており、製品化が近いように見えたさらに小さな20V型の4Kディスプレイを展示していたのがパナソニック。これは、医療分野など特定用途向けディスプレイとして開発しているものだ。このほか、NHK放送技術研究所と共同開発した8K対応(スーパーハイビジョン)の145V型PDPも参考展示して来場者の注目を集めていた。
| 開催概要 | CEATEC JAPAN 2012 |
|---|---|
| 開催期日 | 10月2日(火)〜6日(土)。2日は特別招待日、3日〜5日は公開日、6日は無料公開日 |
| 会場 | 幕張メッセ(千葉市美浜区中瀬2-1) |
| 入場料 | 公開日:当日登録・入場料 一般1000円、学生500円(学生20名以上の団体および小学生以下は入場無料)、無料公開日:入場無料、18歳以上は入場登録が必要 |
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