ソニーは、ドイツのベルリンで開催されている「IFA 2012」において8月29日(現地時間)、84V型4K LCD TVを発表した。同日開催されたプレスカンファレンスで同社社長兼CEOの平井一夫氏は、「今日、テレビのクオリティーにおいて大きなブレークスルーとなる製品を発表し、今年のホリデーシーズンでの提供を開始する」と胸を張った。
フルHD(1920×1080ピクセル)の4倍の解像度(3840×2160ピクセル)を持つ「4K(4K2K)」のテレビは、今年のIFAでは各社が一斉に市場投入を発表しており、目玉商品の1つとなっている。とはいえ、4Kの映像ソースが現状ではほとんどなく、同品質の映像を出力可能な装置も限られている。そのため、当面はフルHD等で入力された映像を高解像度用にアップスケールし、その映像を最適化する技術の搭載が“カギ”となる。ソニーでは「4K X-Reality PRO」と呼ばれる画像エンジンを投入し、こうしたニーズに応える。4K X-Reality PROは、同社が培ってきたデータベース型複数枚超解像技術に4K液晶テレビ用のデータベースを加え、アルゴリズムを最適化した4Kアップスケール機能を持つ。
また10個のスピーカーユニットを画面横を中心に配置し、84V型サイズに相応しい音声品質を実現しているという。また4Kアップスケールを伴う3D表示にも対応。左右それぞれの映像は、4K1K(3840×1080ピクセル)になる。
平井氏は、「2Dでも3Dでも、あらゆる映像の出力に対応する。また映像ソースが映画、TV番組、写真、ゲームのいずれであっても4K品質へとアップコンバートし、84インチの大画面で楽しむことが可能だ」と述べ、プレイステーション 3を含むさまざまな映像出力機器を最高品質で楽しむことが可能な製品だということを強調した。
なお、PS3向けアプリケーション「PlayMemories Studio」に、4K解像度の静止画を送出できる機能を追加する予定。これまで4K静止画に対応するソフトは、同社製4Kプロジェクター「VPL-VW1000ES」購入者に対して提供されていたが、今年度中に提供予定の新バージョンにより、4Kテレビでも楽しめるようになる。
このほか、ソニーのカンファレンスでは「Sony Tablet S」の後継となる「Xperia Tablet S」、新しいヘッドフォン「MDR-1シリーズ」なども紹介した。またブース展示では、有機ELパネルを搭載したヘッドマウントディスプレイの第2弾「HMZ-T2」など多数の新製品を披露。HMZ-T2は、パネル解像度こそ720pと従来機「DMZ-T1」と変わらないが、新たにヘッドフォンを交換可能な構造にしたほか、従来モデル比で20%以上の軽量化を実現しているという。展示ブースの詳細は、追ってお伝えする予定だ。
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