ソニーは9月27日、84V型4Kテレビ“ブラビア”「KD-84X9000」を正式に発表した。「iFA 2012」で参考展示され、注目を集めた大画面テレビ。同社では、「従来のブラビアとは違うコンセプト。美しい映像だけではなく、臨場感を合わせ持つ」と大画面の迫力をアピールする。価格は168万円で、11月23日に発売する。
ソニーでは、“臨場感”を実現する技術として、3840×2160ピクセルの4K2K液晶パネル、映像エンジンの「4K X-Reality PRO」、そして10基のユニットを前向きに配置した大型フロントサイドスピーカーの3つを挙げた。フルHD映像をアップスケールし、超解像技術で精細化。いわゆる1.5H(画面高さの1.5倍)まで近づいても粗さが目立たず、視野角60度の「視界の大部分がフレーム内」という迫力の映像が楽しめる。
ただし、ネイティブ4Kコンテンツの入手方法がない現状では、Blu-ray Discやデジタル放送といったハイビジョンコンテンツがメインとなる。そこで同社では「X-Reality PRO」に4Kネイティブ処理を担当するチップ「XCA8-4K」を追加して3チップ構成にした。まず2Kの状態でノイズ低減や複数枚パターン検出を伴うデータベース型超解像処理をかけ、さらに4Kにアップスケールしてから再度データベース参照型超解像処理を施すという“2段階処理”を行い、2K/4Kを問わず高精細な映像が楽しめるという。「将来、4Kネイティブコンテンツが入力されたときにも独自のパターン分析と超解像処理で鮮明な映像に仕上げる」(同社)。
一方、デジタルカメラなどで撮影した高解像度の静止画に対しては、プレイステーション3専用ソフト「PlayMemories Studio」に4K対応バージョン(今年度中に提供開始予定)で4K再生が可能。細部までリアルな映像を表示できるとしている。
大型フロントサイドスピーカーは、よく見る内側に10度前後の角度がつけられている。ユニット構成は、ウーファー×4、ツィーター×2、サブウーファー×4。同社お得意の「S-Forceフロントサラウンド3D」により、仮想的な5,1チャン得寝る立体的に包み込まれるような音場が楽しめるという。
液晶パネルは倍速駆動をサポート。LEDバックライトには分割駆動可能なエッジ式(分割数は非公開)を採用した。「電力などトータルに見たとき、倍速が最適」(同社)。また3D表示は偏光方式となったが、「4K X-Reality PROにより、垂直方向の解像度が半分になっても4K×1K(3840×1080ピクセル)。フルHDの3Dと同等以上のクオリティーを確保できると判断した」(同社)。なお、製品には3Dメガネ(BKM-30G)2個が同梱(どうこん)される。
そのほかの主な仕様は下表の通り。なお、ソニーでは10月2日に開幕する「CEATEC JAPAN 2012」の同社ブースで「KD-84X9000」などの展示を行う予定だ。
型番 | KD-84X9000 |
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画面サイズ(解像度) | 3840×2160ピクセル |
チューナー | 地上・BS・CS110度デジタルチューナー×2 |
録画機能 | ○(USB外付けHDD、別売) |
3D表示 | ○(パッシブ方式) |
ネットワーク機能 | 無線LAN内蔵(Wi-Fi Directモード対応)、「SEN」対応、アプリキャスト、Webブラウザ、モバイル機器連携(Media Remote対応)、ソニールームリンク(DLNAクライアント) |
HDMI入力 | 4系統(側面2、背面2) |
そのほか入出力端子 | D5、コンポジットビデオ、D-sub 15ピン、USB×2(側面)、光デジタル音声出力、ヘッドフォン出力 |
消費電力(待機時消費電力) | 574ワット(0.2ワット) |
年間消費電力量 | 555kWh/年 |
外形寸法 | 2137×1136×90ミリ(スタンド除く)、2137×1511×567ミリ(フロアスタンド型) |
価格 | 168万円 |
発売日 | 11月23日 |
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