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丸いスクリーンだから分かること——学研「WORLDEYE」

» 2013年09月11日 19時40分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 学研ステイフルが10月下旬に発売する「WORLDEYE」は、地球儀のような“情報球儀”だ。半球形のスクリーンにさまざまな画像や映像を投映することで、「平面で見る映像より理解が深まる」(同社)という。玩具業界の商談展示会「クリスマス玩具商談会」の会場で実機を体験した。

学研の「WORLDEYE」

 WORLDEYEは、ドーム型スクリーンに後ろから映像を投映する、いわゆるリアプロジェクションディスプレイだ。正面から見るとサッカーボール大の球にみえるが、横から見ると巨大なLED電球のよう。後ろに延びた部分にHDMI入力やUSB端子があり、USBメモリーやPCを接続して動画や静止画を表示できる。

横からみたところ(左)。HDMI端子やUSB端子を装備(右)

 表示解像度は480×480ピクセルと低めだが、実際の映像を見ると粗い印象はあまり受けず、むしろ球状画面の目新しさにひかれる。光源にはLEDを使用しているため、長期間の使用にも耐える。

 音声付きの動画にも対応するため、本体にはモノラルスピーカーが内蔵されている。また3.5ミリステレオミニのアナログ音声出力もあり、アクティブスピーカーなどを接続することで手軽に音をグレードアップできる。

 付属の4GバイトUSBメモリには、「地球」や「宇宙」(銀河系)、「星座」、そして「アクア」(海の生き物)といったテーマ別に52の動画や静止画が収録されている。ユーザーが空き容量を自由に使える「Free」フォルダも用意され、デジカメで撮影した画像や動画はこの中に入れておけば表示できる。対応フォーマットは、動画がMPEG/MP4、静止画はJPEG。もちろん、HDMI経由でPCと接続すれば、より幅広いコンテンツを利用できる。

USBメモリ内のファイルを表示する場合、円形のリモコンにある方向キーで選択する。「地球」や「宇宙」など最初からUSBメモリ内にあるコンテンツ(フォルダ)は数字キーを使ってダイレクトに指定できる。なお、展示機はまだ開発中のため、一部ユーザーインタフェースのデザインは変更される見込み

 半球形の画面に映し出されるUIには若干の違和感もあるが、標準コンテンツの多くは、このスクリーンに映し出すことを前提に作られたものだ。例えば「月」の満ち欠けを収録した動画では、正面から見るとスクリーン自体が月そのものになり、欠けていく部分がよく分かる。台風の映像ではスクリーンが地球になり、表面を台風が移動していく様子が観察できる。「宇宙から地球を眺めたら、こんな感じ?」というリアリティーが情報に説得力を持たせるようだ。

月の満ち欠け。明るい会場だったので映り込みも多いが、照明を落とした部屋で見たらよりリアルだと思う

 「地球儀と違い、情報量は“無限”。コンテンツ次第で地球にも月にも、ほかの惑星にもなります」(同社)。

 ほかにも地球の大陸移動の様子や地震の震源分布図など、用意されたコンテンツは動画/静止画を合わせて52ある。これらはJAXA(宇宙航空研究開発機構)やNASA、JAMSTEC(海洋研究開発機構)などから提供されたもので、監修にも各分野の専門家が多数関わった。また、中には人工衛星「かぐや」から撮影した月のクレーターやNHKスペシャルの“海の生き物たち”など、美しい映像や迫力のある動画も多く、教材としてだけではなく、インテリアとしても活用できそうだ。

 ちなみに海の生き物たちを半球形のスクリーンに映すと、まるで超単焦点レンズのカメラで撮影したようになって面白い。また深海のクラゲを映した映像はかなり幻想的でいい感じだ。興味のある人は、学研のWebサイトに動画が掲載されているのでチェックしてほしい。

 「デジタル地球儀を作りたかった」という同社だが、実は52のコンテンツにいわゆる地球儀のデータは入っていない。現在、本体と平行して開発を進めており、発売までには同社サイトで公開する予定だという。WORLDEYE購入者は無償でダウンロードできるようにする予定だ。担当者は、「どこまで情報を入れられるかは分からないが、国名や首都などはカバーする方針。大陸ごとに拡大して見るなどの機能も付けたい」と話していた。

 WORLDEYEの価格は4万1790円(税抜き3万9800円)。地球儀としては高価かもしれないが、インテリアを兼ねた教材としては、むしろ安いと思う。なにしろ情報量は“無限”だ。

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