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画質の基準が変わる――時代の変化を実感できるCEATECCEATEC JAPAN 2015(1/2 ページ)

» 2015年10月08日 00時54分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 千葉の「幕張メッセ」で10月7日、ITとエレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2015」が開幕した。ソニーや東芝が出展を見送り、使用ホールも6ホールまでと過去のCEATECに比べると寂しさを禁じ得ないが、一方で世界初のUltra HD Blu-ray再生対応BDレコーダーやHDR対応テレビなど話題も多い。従来機との比較展示を見れば、画質の違いがよく分かる。

会場の様子

シャープもUltra HD Blu-ray対応レコーダーを展示

 パナソニックは、10月5日に正式発表したUltra HD Blu-ray再生対応のプレミアムなディーガ、「DMR-UBZ1」を展示。その画質と「実売40万円前後」という価格で注目を集めている。同社によると、「価格を聞いて驚かれる方も多いのですが、決してUltra HD Blu-ray再生機だから高価になるというわけではなく、DMR-UBZ1が画質や音質に注力したプレミアムな製品であると説明しています」。

Ultra HD Blu-ray再生にも対応するプレミアムなディーガ「DMR-UBZ1」

天版に輝く「Ultra HD Blu-ray」の文字

Ultra HD Blu-rayと従来のBlu-rayで画質比較

背面に装着されているのは、「DMR-BZT9600」で好評だったという「USBパワーコンディショナー」のバージョンアップ版「MK II」だ。基板の材質の最適化や非磁性炭素皮膜抵抗の組成を変更し、また銅箔厚を2倍にしたことで、高域のS/N比が向上したという

 一方、シャープもUltra HD Blu-rayの再生に対応するBDレコーダー「AQUOS 4K RECORDER」を参考展示している。気になる発売時期については、「とりあえず年内はありません」とのこと。価格も未定だ。

シャープが参考展示したUltra HD Blu-ray再生対応のBDレコーダー「AQUOS 4K RECORDER」

シャープは「ココロプロジェクト」の一環として、センシングと学習により、ユーザーの好みを理解する新しいテレビを参考展示。左上にあるカメラを使って人が前に座ったことを検知すると、今日の天気や新着録画番組、注目のテレビ番組などを教えてくれる

パナソニックはカーペットにスピーカーを内蔵するという新機軸を打ち出した。こちらは9月にドイツで開催された「IFA 2015」で展示されたコンセプトモデルの1つ。2018年から2020年の近未来を想定しており、ほかにも表示情報に合わせて画面サイズが変わるスマートディスプレイ「アンビエント ディスプレイ」なども見ることができる

HDR対応テレビもさまざま

「HDR対応高輝度次世代テレビ」

 パナソニックブースの「HDR対応高輝度次世代テレビ」は、9月にベルリンで開催された「IFA 2015」で注目を集めた2つのテレビの1つ。一方の有機EL(OLED)は日本市場への投入が予定されていないため展示を見送ったという。

世界初のHDR対応85インチ8Kディスプレイ

 NHK/JEITAブースには、NHKとシャープが共同開発した世界初のHDR対応85インチ8Kディスプレイを展示している。こちらはNHKが英BBCと連携して開発した「Hybrid log Gamma」(ハイブリッドログガンマ)のHDRをサポートした初めての試作機。従来のテレビジョン方式と互換性を持っているのが特徴だが、画質の違いは明らか。

東芝の「参考展示 2015年秋冬モデル」

 冒頭で触れたように、東芝は今回のCEATECへの出展を見送ったが、製品だけは“隠れキャラ”のように複数のブースで見つけることができた。まずはJEITAブース。4Kテレビコーナーに、しれっと「参考展示 2015年秋冬モデル」が置かれている。詳しい話は聞けなかったが、既に開発表明を行っているHDR対応モデルのようだ。

「TransferJet持ち出しアダプタ対応レグザサーバー」も参考出品

 またSeeQVaultブースでは、「TransferJet持ち出しアダプタ対応レグザサーバー」が参考出品されていた。こちらはTransferJetで録画番組をスマートフォンなどに高速転送し、外出先で視聴できるモバイルソリューションの一環として展示されたもの。もちろんSeeQVault対応なので、レコーダー買い替え時には外付けHDDを使って容易に録画番組の引っ越しも可能だ。

 なお、SeeQVaultは同一メーカー製品でしか録画番組を引き継げないのがネックだったが、「各メーカーも仕様の共通化に理解を示している」という前向きな話も聞くことができた。近い将来、メーカーを跨ぐ“引っ越し”も可能になるかもしれない。

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