ニコンから新しいデジタル一眼レフカメラ「D500」が登場した。同社DXフォーマットの最上位に位置し、153点のAFシステムや約10コマ/秒の連写、4K対応の動画、最高感度ISO164万相当といった高機能を凝縮したモデルである。実写を見ながら、その画質と機能、操作性を確認していこう。
D500最大の見どころは、広域・高密度の153点AFシステムを搭載したこと。今年3月に発売されたFXフォーマットの最上位モデル「D5」と同等のもので、同社では「ニコンデジタル一眼レフカメラ史上最強の被写体捕捉力」をうたっている。
測距点153点のうち99点がクロスセンサーで、任意で選択可能な点は55点となる。これらの測距点が画面内の広い範囲に配置されているので、画面の端にある被写体にもAFロックなしでピントを合わせやすい。人物の全身を縦位置で撮る際にも便利だ。
AFエリアモードは、シングルポイントAFのほか、ダイナミックAF(25点、72点、153点)、3D-トラッキング、グループエリアAF、オートエリアAFの計7モードが用意される。フォーカスモードは、AF-SとAF-Cの2つ。「D7200」などの下位モデルとは異なり、自動切り替えが働くAF-Aモードはない。
今回の試用では、ストレスなく快適に合焦するAF性能を実感できた。鳥や動物、子どもなど、素早く動き回る被写体に対しても、面白いくらいスムーズにピントが合う。特に動体撮影では、AF-Cモード+ダイナミックAF、またはAF-Cモード+3D-トラッキングが役立った。3D-トラッキングでは、新たにファインダー撮影時の顔認識に対応し、顔の動きに合わせて測距点を自動的に移動させることも可能だ。
薄暗いシーンでのAFの合いやすさにも注目したい。暗所AF性能の目安となるAFの検出範囲は、中央の測距点が最低-4EVに、それ以外の測距点が最低-3EVに対応。-4EVという明るさは、かすかな光しかない暗闇に近い状態だ。実際の撮影でも、かなり薄暗いシーンで合焦するAF性能を確認できた。
ちなみに既存モデルはD7200が-3EV、「D4S」や「D810」が-2EV、「D610」が-1EVに対応。それらに比べてもAF性能が確実に向上していることが分かる。
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