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ハイレゾ対応は当たり前!? ドコモのスマホ新製品に見る“次の一手”端末別ハイレゾ対応度もチェック(1/2 ページ)

» 2016年10月25日 00時05分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]
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 NTTドコモが2016−2017年冬春商戦向けの新機種や新サービスを発表した。ラインアップ中、ハイレゾ音源再生に対応しているのは「V20 PRO L-01J」「arrows NX F-01J」「Xperia XZ SO-01J」「Xperia X Compact SO-02J」「MONO MO-01J」の5機種で、うち3機種はPCM変換ながらもDSD再生までサポートした(下表参照)。このようにAndroidスマートフォンの多くがハイレゾ音源再生に対応している現在、端末メーカー各社は“次の一手”を打ち出している。

ハイレゾ対応度ナンバーワンは「V20 PRO L-01J」(NTTドコモの新製品発表会で撮影)
型番 PCM DSD
V20 PRO L-01J 384kHz/32bit 5.6MHz(※)
arrows NX F-01J 192kHz/24bit 非対応
Xperia XZ SO-01J 192kHz/24bit 2.8MHz(※)
Xperia X Compact SO-02J 192kHz/24bit 2.8MHz(※)
MONO MO-01J 192kHz/24bit 非対応

※PCM変換

Quad DACで「CDも良い音」

 「V20 PRO L-01J」は、スマートフォンでは世界初となる“Quad-DAC”(DAC:digital Analog Converter)を搭載したモデルだ。といってもDACチップを4基も搭載しているわけではない。Quad-DACは、米ESS Technologyの統合チップ「ES9218」に内蔵された4つのDAC機能のことで、同チップの愛称にもなっている。上記の通り、ハイレゾ再生能力では頭ひとつリードしている印象だ。

 通常、複数のDACを搭載するのはAVアンプなどで出力チャンネル数を増やしたいケースが多い。しかし、今回の場合、Quad-DAC搭載の主目的は別のところにあった。

 「4つのDACを使ってL/Rチャンネルそれぞれ処理すると4倍のアナログ信号を得ることになる。一方で音声信号に含まれるノイズは逆位相のため4倍にはならない。このため、通常のアナログ信号レベルに戻すと相対的にノイズが小さくなる」(説明員)。つまりノイズ低減が主目的。具体的にはホワイトノイズとひずみが低減し、S/Nの向上が期待できるという。

 もう1つのメリットは、ハイレゾ音源のみならず、ES9218を通るすべての音声信号でノイズが低減すること。ドコモの発表会場では、「CDからリッピングした音源なども良い音で聴くことができる」として、CDプレーヤーを並べて比較試聴を行っていた。「ハイレゾ再生では新しく音源を購入しなければならないが、家にあるCDをはじめ、Youtubeなども音質向上が期待できるのがQuad DACのメリット。より多くのシーンで活用できる」としている。

同じ音源でCDラジカセと比較試聴

 またV20 PROではデンマークの高級オーディオブランド「B&O」(バング&オルフセン)と協業し、B&Oのエンジニアとサウンドマスターが音質チューニングを手がけた。パッケージにはB&Oのカジュアルライン「B&O Play」ブランドのイヤフォンも付属する。ただし、このイヤフォンはハイレゾ再生には対応していない(聴くことはできるが、ハイレゾ本来のクオリティーではない)。

背面に「B&O」のロゴ
「B&O Play」ブランドのイヤフォンが付属
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