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シンプルなボディにF1.4という明るいレンズ、パナの高級コンデジ「DMC-LX9」の実力は?(1/3 ページ)

» 2016年11月11日 19時19分 公開
[荻窪圭ITmedia]
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非常にコンパクトな高級コンデジ「DMC-LX9」。シンプルなボディにF1.4という明るいレンズがウリ

 とうとうパナソニックが高級コンデジ主戦場のど真ん中にカメラを投入してきた。今までは他社とは微妙にコンセプトやスペックを変えてナニゲに被らないカメラが多かっのだ。

 でもLX9は違う。「1型センサー」搭載のハイエンド機を牽引してきたソニーの「RX100シリーズ」やキヤノンの「G7 Xシリーズ」とガチでぶつかるスペックである。真っ向勝負である。

 それはコンパクトで携帯しやすいボディに高画質な1型の2000万画素センサー、ズーム倍率は抑えめで、その分明るいレンズ、そしてチルト式の背面モニターという構成だ。

 プラスして、モニターは180度回転する上にタッチパネル搭載の自撮り対応仕様だし、パナソニックならではの4K動画系機能もしっかり持っている。

 面白いのは、スペック的にはカメラ好き向けのハイエンドなのに、使ってみるとけっこうカジュアル指向の作りになっていること。一見、超本格的なカメラだけど、実は気楽に楽しんでOKな製品だったのである。

レンズはF1.4と最高の明るさ

 LX9のボディは上着のポケットなら入りそうなコンパクトさ。幅は約105.5mmで厚みは約42mm。重さは撮影時重量で約310gとかなり携帯性が高い。

 そこに入っているレンズは24-72mm相当の3倍ズームではあるものの、広角端でF1.4というクラス最高峰の明るさ。F1.4を楽しめるのはほぼ広角端のみではあるが、他社がF1.8クラスなのに対し、F1.4は驚異である。しかもライカブランドだ。

ライカなロゴで刻印された「1.4」の文字が光る。ここは独立した絞りリングになっている

 F1.4なら広角でも背景はそこそこぼけるし、それ以上に室内や夜間の撮影で力を発揮する。レンズが明るいのであまり感度を上げなくても済むのだ。

 これは夜の虎ノ門駅で撮った虎ノ門の虎。ライトアップされてるわけでもなんでもないのでとても暗いわけだが、F1.4ならISO1600で1/50秒で撮れる。

夜の虎ノ門駅前の虎ノ門の虎。かなり本格的で、これに羽根がついたら、まるで「虎の穴」である(初代タイガーマスクネタです)。24mm相当 1/50秒 F1.4 ISO1600

 すばらしい。撮影最短距離は広角側でレンズ前約3cm。ボケかたもけっこうきれいなのでぐっと寄ればボケも楽しめる。

 真っ昼間にF1.4で撮ろうと思うとシャッタースピードをかなり上げなければならないが、LX9はメカシャッターこそ1/4000秒どまりなものの、電子シャッターに切り替えれば問題ない。電子シャッター時は最高1/16000秒まで上げられる。快晴下でもF1.4である。

明るすぎてメカシャッターでは足りず、電子シャッターに切り替えて。シャッター方式を自動切り替えにしておくと便利。24mm相当 1/8000秒 F1.4 ISO125

 F1.4なのは広角端のみで、30mm相当を超えると開放F値はF2.8になる。望遠端は72mm相当でF2.8を維持。広角端と望遠端の比較はこんな感じだ。これはiAモードで撮影している。

 レンズ性能はけっこう高くて思ったよりディテールの表現力は高かった。これはよい。

いつものガスタンク。24mm相当での描写力はなかなか。周辺部の劣化も目立たない。24mm相当 1/1600秒 F5 ISO125
望遠側もけっこうディテールまで出ている。72mm相当 1/1600 F5 ISO125

 ISO感度はISO125からISO12800で、拡張感度としてISO80やISO25600も使える。基本性能的には申し分ない。

 また鏡胴には絞りリングを搭載。絞り値にリングを対応させることで上面の電子ダイヤルを露出補正に割り当てられるのはうれしい(要設定)。

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