オーディオブランドのデノンは3月14日、ネット接続対応のワイヤレスオーディオシステム「HEOS by Denon」に対応するWi-Fiスピーカー製品などを15日に発売すると発表した。単体で定額制音楽サービスやインターネットラジオを楽しめるほか、同じネットワーク上にあるスマートフォンやPCに保存した音楽の再生にも対応する。想定実売価格は2万7000円(税込、以下同)から。
HEOS対応製品は、スマートフォン本体やネットワーク上のデバイスに保存された音楽、ユーザーが契約している定額制音楽ストリーミングサービスの楽曲などを再生できる。操作は、これらの楽曲を一括管理できる専用アプリ(iOS/Android/Kindle Fire)で行う。ネットワーク上にHEOS対応スピーカーを複数台設置すれば、それぞれで同じ楽曲を同時再生したり、別の楽曲を再生したりできる。
対応する定額制音楽ストリーミングサービスは「Spotify」「SoundCloud」「tunein」と「AWA」(5月24日から)の4つ。HEOS製品は数年前から海外で展開しており、日本での提供は後発。すでに海外で対応している「Amazon Prime Music」にも今後対応させたい(同社)という。「Apple Music」や「Google Playミュージック」には対応しない。
製品ラインアップは、ネットワークスピーカー「HEOS 3」(3万5000円)とポータブルネットワークスピーカー「HEOS 1」(2万7000円)のほか、既存のオーディオシステムに接続してHEOSを利用できるワイヤレスプリアンプ「HEOS Link」(3万9800円)、電源不要でHEOS1を駆動できる専用バッテリーパック「HEOS 1 Go Pack」(1万円)をそろえた。
「Bluetooth接続のワイヤレススピーカーのように、スマートフォンなどの音楽再生機能を利用しないため、着信や通知に邪魔されない」と、デノンブランドを手掛けるディーアンドエムホールディングスの上田貴志さん(国内営業本部営業企画室 室長)はアピールする。
海外では既に展開している製品ブランドをこのタイミングで日本でも提供する理由について、同社の中川圭史さん(ジャパン・セールス&オペレーションプレジデント)は「ユーザーのライフスタイルを見ながら発売のチャンスをうかがっていた」と話す。
「(日本でも)プレミアムフライデーが始まるなど、余暇を過ごす機会が増えつつある。しかし、毎月旅行に行けるわけではない。若者の“補導率”が減っているというデータも出ているように、自宅で“リア充”を楽しんでいる若者も増えているのではないか」(中川さん)
AWA社の小野哲太郎 取締役兼プロデューサーによれば、AWAもホームエンターテインメントを重視する方針。「AWAの再生ログを見ていると、土日の午前中や夜間の再生が増えている。これまで通勤通学に利用していたユーザーが、休日にもAWAで音楽を聴くように変化している」(小野さん)。
小野さんによれば、ハイレゾ音源の定額制ストリーミングサービスが数年内に実現する可能性もあるという。しかし、通信環境など技術的な課題が多いという。
「2018年から19年にかけてサービス開始を目指しているが、難しい面も多い。ハイレゾ音源を小さなファイルサイズで転送する技術の開発や、通信キャリアとの協議を続けている」(小野さん)
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