とある打合せの席でのこと。「35mmフィルム換算ってよく聞くけど、あれ、よく分からないんだよね」と言われたのである。
考えてみたら、「フィルムカメラの経験がない」デジカメユーザーってどんどん増えているのだ。だからいきなり35mmフィルムとか35mm判といわれてもピンとこないのは当たり前。
35mmフィルムとはどんなものかというと、こんなの。35mmのネガカラーフィルムを現像したものだ。
幅が35mmだから35mmフィルムといわれてる。
カメラはこのフィルムを横向きに使うので、実際の画像が記録されるのは横36mmで縦24mm。
一般に「フルサイズカメラ」と呼ばれているカメラは「36×24mm」サイズのイメージセンサーを採用してる。
さてここからなぜ「35mmフィルム換算」って言葉が出てくるのか。
35mmフィルム換算って言い方をするのは「レンズの焦点距離」。
焦点ってのは、文字通り焦げる点。
虫眼鏡で太陽の光を黒い紙に集めると、ちょうど一点に集まったときに温度がぐっと上がって焦げはじめるって実験を小学生の時にした記憶があるのだが、今はどうなんだろう。
まあいいや、焦点の語源はそれ。レンズを通った光が集まる点。
焦点距離というのはそのときのレンズ(専門的には第二主点というのだけどまあそれはいい)と焦点との距離。
この距離が長ければ長いほど写る範囲が狭くなる=狭い範囲が大きく写る=「望遠」になり、短ければ短いほど広い範囲が写る=「広角」になるわけだ。
焦点距離が長いと望遠、焦点距離が短いと広角。
話は単純。
でも、どのくらい望遠なのかどのくらい広角なのかは「焦点距離」だけじゃ決まらない。撮像素子の大きさで大きく変わってくるのだ。
先日レビューしたニコン「D7500」で使用したレンズ「AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR」の製品ページを見ると、こんなことが書いてある。
焦点距離16-80mmなのに、35mm判換算で24-120mm相当というのだ。
これはどういうことか。
「画角」で説明すると分かりやすい。
画角は実際に撮影される範囲を角度で示したモノ。
画角が広いと「広角」、狭いと「望遠」になる。
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