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» 2017年12月23日 16時15分 公開

作った効果音は1700個 VRの音は「ただ空間上に置けばいい訳ではない」 FGOのサウンド担当語る

人気スマートフォンゲーム「Fate/Grand Order」のサウンド担当者が、音作りの現場の苦労やこだわりを語った。

[井上輝一,ITmedia]

 当期純利益45億円を誇るスマートフォンゲーム「Fate/Grand Order」(FGO)。そのサウンドにはどのような思いや苦労があるのか。これまでにFGOのSEを1700個作ったという、ディライトワークス(FGO開発会社)サウンドチームの白山俊太郎さんが「FGO冬祭り」(12月23日・兵庫会場)に登壇し、FGOの音作りについて語った。

3週間でSE250個、BGM11曲制作

白山さんが担当するサウンド

 2016年4月にディライトワークスに入社した白山さん。サウンド制作の一番の修羅場は、第7特異点〜終局特異点(実装は2016年12月)のサウンド制作だったという。

 これらのシナリオのために、3週間でSE(効果音)を250個、BGMを11曲制作したことを明かすと会場がどよめいた。共に登壇した、FGO PROJECTクリエイティブディレクターの塩川洋介さんが補足する。「終局特異点では複数の魔神柱(ゲーム上のボス)が各ステージに配置されているが、バトルサウンドは2種類で間に合うかと最初は考えていた。しかし、考えた結果、やはりそれぞれ別の曲にしようということになった」(塩川さん)

VRサウンドは「ただ空間上に置けばいい訳ではない」

「Fate/Grand Order VR feat. マシュ・キリエライト」の音にもこだわった

 FGOを開発しているディライトワークスは、PS VRで配信を開始したVRドラマ「Fate/Grand Order VR feat. マシュ・キリエライト」(FGO VR)の開発も手掛けている。VR(仮想現実)では、全天球に映像を展開するため、ゲーム中で聴こえてくる音を顔の向く方向とうまく合わせなければ違和感が出てくる。

 「マシュが近くにいるような距離感や位置の調整が大変だった」と白山さん。

 「データ通りに空間上に音を置けばいいというものではない。人間の脳の感じ方に合わせるため、実際の位置とは違うところに音を置いてはVR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を被って調整し……と繰り返し調整した」(塩川さん)

 FGO VRでは、森の環境音の収録のため奥多摩へ出向いたが、意外な“音”に悩まされたという。「鳥Aが鳴くと鳥Bが応じて鳴く。それに応じて鳥Cが鳴き……と鳥たちの会話が途切れない。鳥の声を撮りに来たわけではないので」(白山さん)

奥多摩まで収録に行ったが、鳥の鳴き声に苦労させられたという

1年9カ月で1700個のSEを制作

これまで作ったSEの数は1700個

 入社した2016年4月から2017年12月の現在までで、白山さんが制作したSEの数は1700に上るという。内訳はアドベンチャーパートが450個、バトルパートが550個、宝具(各キャラクターのスペシャル技)のSEが770個だ。FGOでは爆発するような技がいくつもあるが、そういった爆発音も作り分けていると白山さん。

1年9カ月で作成した1700個のSEの内訳

 「そう考えると、ほとんど使いまわしの音はないのかもしれない」(塩川さん)──ゲーム演出へのこだわりは、サウンドにも現れていることを来場者に伝えたトークステージとなった。

クリエイターズトークに登壇したディライトワークスの塩川洋介さん、石倉正哲さん、白山俊太郎さん

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