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Novell、SUSE LINUX Proをコミュニティーに開放

» 2005年08月04日 19時36分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米NovellはSUSE LINUXのバージョンの1つをユーザーと開発者に開放する計画だ。同社は米カリフォルニア州サンフランシスコで来週開催されるLinuxWorldで、OpenSUSEプロジェクトを発表する。同社幹部が8月3日、この情報を事実と確認した。

 NovellのLinuxおよびオープンソース担当マーケティングディレクター、グレッグ・マンクーシ−ウンガロ氏は、「OpenSUSEは、誰でも、どこででも使えるものにする。当社は、技術に詳しいユーザーでない限り、Linuxの習得はいまだに非常に困難だということを顧客から学んだ」と語っている。

 NovellはSUSE LINUX Professionalの名称をSUSE LINUXに改めてオープンソース化する。この取り組みのためにopensuse.orgという新サイトを立ち上げる。「社内でコードをテストする閉鎖的なモデルから、完全にオープンで透過的なモデルへと移行する」とマンクーシ−ウンガロ氏。開発者がソースコードにアクセスできるようにし、開発者からの意見を歓迎するという。

 同社はLinuxWorldで、SUSE LINUX 10.0の初の公開β版をリリースする。2006年には、オープンソース化したSUSE LINUX用の公開コードリポジトリと公開ビルドサーバを設置したい考え。

 Novellは、SUSEのトカゲ(lizard)のマスコットにちなんで「Lizard Blizzard」と名付けたキャンペーンの下、SUSE LINUXの配布を大幅に増やしたいとしている。同社はLinuxWorldで「数千本」のSUSE LINUXを配布するのに加え、ほかの展示会や、SUSE LINUXにとって最も効果的と思われる雑誌の挿し込みによっても配布を増やすとマンクーシ−ウンガロ氏。

 同氏によると、NovellによるSUSE LINUXのオープンソース化は、競合LinuxベンダーのRed HatによるFedoraプロジェクトとはアプローチが異なる。

 「Fedoraは非常に素晴らしいオープンソースプロジェクトだ。(6月のFedora Foundationの発足によって)さらに成長し、独立性も高まっている。だがあのプロジェクトは、技術系ユーザー(のコミュニティー)の内側に向いている」と同氏。「OpenSUSEのゴールはそれとは異なり、エンドユーザーの成功がすべてだ。われわれは、技術系以外のユーザーでも導入できるくらい使いやすいものを開発しなければならない」

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