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カーナビは“案内役”を超える東京モーターショー

» 2005年10月20日 21時40分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 カーナビの役割は、もはや道案内だけではない――「東京モーターショー」(11月6日まで、幕張メッセ)では、各社がカーナビ向け新サービスを展示している。車載エージェントを携帯と連動させたり、カーナビに“体”を与えたりと、道案内以外の機能も競う。

サツキ・メイ・リンは携帯と連動

 ゼンリンデータコムの対話型のエージェントナビ「サツキ・メイ・リン」は新たに、携帯電話からスケジュール管理できる機能を備えた。駐車場やレストランを案内してくれる従来の機能に加え、音楽ナビゲーションも可能になるなど、機能は多様化してきた。

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 スケジュール管理はこんな仕組みだ。専用アプリ入り携帯に「11月9日に3時からデートの予定入れておいて」と話しかけると、音声をデータに変換し、パケット通信でサーバに送信する。サーバは音声の意味を解析し、スケジュールサーバと照会。スケジュールが空いていれば「11月9日、デート」という情報を書き加え、カーナビのスケジュール機能にネット経由で送信してくれる。

 音楽ナビゲーション機能も搭載した。「朝にぴったりのさわやかな曲」などと話しかけると、独自に作成したリストからふさわしい楽曲を選んで一覧表示する。

photo サツキおすすめ、さわやかな曲リスト

 3年前から開発してきたサツキだが、カーナビにはまだ搭載されていない。「アプリケーションの仕様がカーナビごとに異なり、実装が難しい」(説明員)。サービスをフルに利用するにはネットに接続する必要があるが、車内からインターネットを利用できる環境はまだ整っていないのが現状。サツキが車に乗るまでには、まだしばらく時間がかかりそうだ。

エージェントは“体”を持つ?

 「カーナビに話しかけるのはどこか不自然」――デンソーは、話しかける“対象”としての車載ロボットを参考展示している。

 真っ黒いボディにライトを搭載したシンプルデザインのロボットは、話しかけられた方向を検知してそちらを向き、ライトを点滅させて反応してくれたり、ライトの色をさまざまに変え、車内の状況を知らせてくれたりする。「カーナビに命令するときも、反応してくれる相手がいた方が話しやすい」(説明員)

photo ボディを好きなキャラのフィギュアなどに変えれば、1人のドライブもかなり楽しくなりそうだ

 ボディの手前に、360度撮影可能なカメラを設置。話しかけてきた相手の顔の位置を検出できるほか、車上荒らしなど異常な動きを検知・通報する防犯システムにもなる。

左右別の映像で、カーナビはAVセンターに

 富士通テンと三洋エプソンイメージングデバイスは、左右別々の映像が見られるカーナビ用ディスプレイを展示している。富士通テンは、シャープの「デュアルビュー液晶」を採用。カーナビ「ECLIPSE」シリーズに搭載して11月に発売する。

photo 右から見るとカーナビ画像、左から見るとテレビ画像を表示

 三洋エプソンは、2D・3D表示両対応の「2画面ディスプレイ」を展示。視野角制御バックライトにより、2Dの場合は左右別々の映像が見られる。3D表示も可能だ(関連記事参照)

photo 2Dモード。右から見ればカーナビに、左から見ればテレビになる

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